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第1059話

寝て起きると、すぐ隣で夏月が添い寝してくれていた。 せっかく週の真ん中の休みなのに、看病なんかさせて申し訳ないな…。 でも、もし逆の立場だったら、俺も迷わず夏月の看病すると思う。 そう考えたら幾分か気持ちが楽になった。 「綾人さん…、起きて大丈夫……?」 「夏月の看病のおかげで大分楽になったよ。今熱測ってる。……37度5分。明日には治るだろ。」 「よかった…。綾人さん、おいで。」 腕を広げられ、俺は夏月の懐に飛び込む。 あったけぇ…。 つーか、熱い…? 「夏月、熱測ってみて。」 「なんで俺?」 「いいから。」 体温計を脇に挟ませ、ピピっと音が鳴り表示を見ると、37.9度。 絶対俺の風邪移っただろ、これ。 「夜は俺が作る。」 「え!?ダメ!綾人さん病み上がりなんだから!」 「今はお前が病んでんだろうが。」 「元気です!」 「俺はもう平気だけど、大翔に移しちゃダメだからじっとしてろ。」 「それだと、綾人さんも移す可能性ないですか?」 「……………」 夏月の正論により、今日の夕食は各自レトルト食品となった。 風呂も大翔に先に入ってもらい、続けて俺が入った。 夏月はまた少し熱が上がり、38.6度まで上がって、少し辛そうな表情をしていた。 洗面器に熱いお湯を入れ、タオルと一緒に寝室に持って行く。 「夏月、身体拭いてやるから着替えよう。」 「ん…。大翔くんは…?」 「大翔は今日はリビングで寝てもらうことになった。移したらダメだから仕方ない。ちゃんと毛布も渡したし、暖房もつけてるから風邪は引かないと思うんだけど。」 「そっか…。久々に綾人さんと二人だ…。」 夏月は嬉しそうに微笑んで、上の服を脱いだ。 立派な肉体美。 タオルを絞って夏月の体を拭く。 「気持ちいい。ありがとう、綾人さん。」 「どういたしまして。下は?自分で拭くか?」 「うん。綾人さんに触れられたら誤作動起こしそうだし。」 夏月は俺からタオルを受け取り、下半身を拭き始めた。 お互いの裸なんて何度も見てるから、夏月は気にせず俺の前で脱いだけど、なんかすげー恥ずかしい。 いつも勃ってるソレばかり見てるから、ぶらんと垂れてるのを見るのは新鮮というか…。 「勃ってなくてもデカいな…。」 「どこ見てんの(笑)綾人さんのえっち。」 「はっ…、はぁっ?!目に入るだろ!!」 「体力戻ったらめちゃくちゃに抱いてあげます♡」 「冗談言ってないで早く寝ろ!」 拭き終わったのを見計らって、タオルを取り上げて洗面所に片付けに行く。 あーもう…。 顔アツ…。 パタパタと手で仰いでいると、洗面所のドアが開いておそるおそる大翔が入ってきた。 「兄さん、風邪大丈夫…?」 「うん。今は夏月が辛そうだけどな。」 「そっか…。まぁ城崎さんならすぐ治るでしょ。」 それはどういう意味? と思いながら、口には出さなかった。 洗面所で大翔と別れ、寝室に戻ってベッドに入る。 「綾人さん、今日二人きりだからえっちしよ?」 「ダメ。熱あるだろ。それにリビングまで声響いたら無理すぎるし。」 「え〜……。じゃあぎゅってして寝よ?」 「ん…。」 夏月と抱きしめあって目を閉じた。 熱で一日潰れてしまったけど、夏月とイチャイチャできたから悪くなかったな。 そう思える幸せな一日だった。

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