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71話 震える心を温めるもの
シーツにくるまれた蔵之介は、ビアンカの部屋に運ばれた。
そのまま風呂場へ連れていかれ、シーツを剥がされ、破れた服も脱がされた。
蔵之介は何もできず、ビアンカにされるがまま触られていた。ビアンカなら抵抗する必要もない。
「どこか痛みは無いか?」
「わかんない」
蔵之介の答えにビアンカは蔵之介の頭から、首、体、腕から手の先、太ももから足の先まで優しく触れ確認していった。
その後、蔵之介の真ん中で垂れる物にも触れる。
「んっ」っと蔵之介が声を漏らすが、ビアンカは確認するように下のまるみも手で優しく触れ揉んだ。
蔵之介はビアンカの腕を掴むが、抵抗するためではなくただ触れられる感覚に抵抗があり、それに耐えるためだ。ビアンカの肩に顔を寄せ体を震わせる。
ビアンカは心音から蔵之介が痛みに耐えている分けでは無いことを確認し、その奥へと手を動かした。
すると蔵之介はビクリと体を跳ねさせ、腰を少し浮かせた。
「んっ、やだ」
蔵之介は嫌と言いながらもビアンカの体に身を寄せ抱きついた。
指は割れ目を何度かなぞり、萎みを何度か指でつつくと、そこはヒクヒクと震えた。口はしっかり閉じている。中を探られた様子はない。ビアンカは安心して、そこから手を放し、蔵之介を抱きしめた。
「中は探られなったようだな。何か心配なことは無いか?」
「うん……」
蔵之介はためらいがちに頷いた。そして、抱きしめるのをためらう様に手が揺らいでいた。
「蔵之介、大丈夫だ。僕は君から離れない。安心して何でも言ってくれ」
蔵之介は下唇を噛み、おでこをビアンカの肩にすり寄せた。
「一緒にいて」
震える声でやっと絞り出した言葉に、ビアンカは頷き「分かった」と抱きしめた。
ビアンカに体を洗ってもらい、それが終わるとビアンカも身を清め始めた。
引き締まった体、しかしごつごつはしてない滑らかな肌。泡がその体を滑り、足へ流れていく。
足の付け根の間には人間と同じものがついている。自分の物とは違う、少し大きめで、他の肌と同じ色で綺麗な色だった。
蔵之介はそれを眺めていると、ビアンカはそれに気づき蔵之介の方へ体を向けた。
「そんなに僕の体が気になるのか?」
蔵之介はハッとして顔を上げるとビアンカはほほ笑み、蔵之介の顎に指を添え、キスをした。
唇を少しだけ離した。
「キスはされてないよな?」
ビアンカは少し怪訝そうに聞いた。
「うん、されてないよ……顔は糸で覆われてたし」
蔵之介はうつむき言った。
「そうか」
ビアンカはそれだけ言って、体についた泡を流した。
そして蔵之介を抱き上げ、風呂場を出た。
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