7 / 38
第7話
「ちょ、ちょっと待って、すぐ片付けるから!」
「お邪魔しまーす!」
コンビニで飲み物や菓子やら買い込み、光は晶の部屋に来た。
光が上がる前にアパートの自室に駆け上がったつもりが、光は勝手に背後から部屋に入ってしまった。
「片付けるから、て言ったじゃん!」
「別にいいじゃん、散らかってても別に気にしないし」
光が勝手にウロウロし始めた。
「あんま見んなよ」
「あっ」
ベッドの隅に投げ出されたままのバイブ....。
光は手に取り笑った。
「これでアナニーしてんの?どれくらいの頻度?」
「う、うるさい!お前だって、バイブの1本や2本持ってるだろ」
恥ずかしさから晶は顔を真っ赤にし、光からバイブを取り上げようとするが、かわされる。
「ねえ、見せてよ。これで、オナニーしてるとこ」
「はあ?冗談じゃない」
「冗談だよ」
光が爆笑した。
ネコ同士、晶と光はビールを開け、乾杯した。
次第にどれだけ自分が男運がないか、の話しになり、何故か、どっちがどれだけ男運がないか、競うように語り出した。
「あー、なんか晶と話してたら楽だわー」
「俺も光といたら楽ー」
またもや酔っ払い、
「お前がタチだったらなあ」
と光が宙を仰いだ。
「お前がタチなら良かったんだよ」
そんな光を見て、晶は拗ねながらビールを飲んだ。
ともだちにシェアしよう!