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第6話
光は週に2回だけ、ダイニングバーでバイトしている。
気晴らしに晶は飲みに行った。
「光くんの友達なんだって?」
「え、あ、はい」
メニューを見ていると、30代だろうか、爽やかながら、男の色気を放つ従業員に声を掛けられた。
ふと、名札に、小林、そして、店長、とある。
「料理もあるし、気軽に頼んでね。光くんの友達、て聞いているし、少しサービスさせて貰うよ」
そう言うと、店長は晶にウインクして去っていった。
晶の中でざわつく違和感。
もしかして、お仲間...まさかな、と思いながら、再度、メニューに目を落とした。
一通り、注文を終え、バイトする光の接客姿を目で追った。
愛嬌のある笑顔。
不意に目が合い、光が寄ってきた。
「注文は終わった?」
「うん」
食べ終えた頃、光はバイトが終わった。
「あー!疲れた」
「お疲れ様」
「ねえ、こないだ、家来たじゃん?今日は晶んち行ってもいい?」
「え、そんないきなり」
「なに?いきなり来られたらヤバいもんでもあるの?」
光がニヤニヤしながら詰め寄ってくる。
あるけど、光が上がる前に急いで方そう、と晶は光を自宅に招いた。
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