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第5話
ピザが到達するまでの30分、2人は何故、ラブホにいたのか、を話し合った。
結果、身に覚えはないけれど、酔っ払った勢いで襲ったのかもしれない、の結論に達した。
「本当にごめん、光」
「俺こそ、ごめん、晶」
互いに向かい合って正座し、頭を下げた。
頭を上げると、視線がぶつかり、2人は揃って笑った。
「ネコがネコを襲うとか」
「俺もびっくり」
「これからもよろしくね」
晶と光は握手をした。
「お互いに次はいい恋愛しなくちゃね」
光が言い、
「だね、幸せになりたい」
晶も頷いた。
気がつけば、2人は次第に友人として、まるで兄弟かのようにほとんど一緒、な生活を過ごした。
一緒にバーに通い、いい相手がいないか、を探す。
「ねえ、あの人、いい感じじゃない?」
晶が1人で飲んでいる年上の男性を遠巻きに見、光に呟く。
「あー、ダメダメ、センスない」
逆に光が、
「あの人、良くない?」
晶に耳元で囁き、遠巻きにいる男性を見る。
「えーっ、光はタイプ?俺は無理」
そうして、互いに大学生の身、夜は行動を共にするようになった。
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