5 / 38

第5話

ピザが到達するまでの30分、2人は何故、ラブホにいたのか、を話し合った。 結果、身に覚えはないけれど、酔っ払った勢いで襲ったのかもしれない、の結論に達した。 「本当にごめん、光」 「俺こそ、ごめん、晶」 互いに向かい合って正座し、頭を下げた。 頭を上げると、視線がぶつかり、2人は揃って笑った。 「ネコがネコを襲うとか」 「俺もびっくり」 「これからもよろしくね」 晶と光は握手をした。 「お互いに次はいい恋愛しなくちゃね」 光が言い、 「だね、幸せになりたい」 晶も頷いた。 気がつけば、2人は次第に友人として、まるで兄弟かのようにほとんど一緒、な生活を過ごした。 一緒にバーに通い、いい相手がいないか、を探す。 「ねえ、あの人、いい感じじゃない?」 晶が1人で飲んでいる年上の男性を遠巻きに見、光に呟く。 「あー、ダメダメ、センスない」 逆に光が、 「あの人、良くない?」 晶に耳元で囁き、遠巻きにいる男性を見る。 「えーっ、光はタイプ?俺は無理」 そうして、互いに大学生の身、夜は行動を共にするようになった。

ともだちにシェアしよう!