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第9話

光のバイトするダイニングバーは料理も美味く、リーズナブルで品数も豊富で居心地もよく、週2日の光のバイトの日は晶は足を運んだ。 「いらっしゃい、晶くん」 「どうも、また来ちゃいました」 自然と店長の小林とも話しをするようになった。 「どれもこれも本格的ですよね」 「海外で修行したからかな」 イケメンな小林も目の保養になる。 ただ、それだけだった。 光がバイトが終わる頃。 晶は光を待っていたが、 「店長と話しがあるから」 と、断られ、一緒に帰る事がなくなった。 そういえば、と晶は気がついた。2人はカウンターの裏でよく並んでいて、光の笑顔が見えた。 小林もまた笑顔。 もしかしたら、2人は交際を始めたのかもしれない....。 晶は唐突な寂しさに襲われた。 光といる時間はとても楽しい。 ネコ同士、恋愛は難しい事はわかってはいても、光が好きな自分に気付かされた。

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