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気持ちいいの共有
双子と言うものは不思議なもので、なんとなくお互いの感覚を共有してるのではないかと思う事が何度もある。それは痛みだったり、悲しみだったり、嬉しみだったり……快感だったりと色々だ。様々な感覚をどちらかが感じていると一方も同じように感じている。
晴彦と輝彦も例に漏れず、そのテレパシーのような感覚を何度も経験している。
そして、特に快感と言うものは実に分かりやすかった。
「……はるってば、始めちゃったのかな」
部屋で勉強をしていたら下半身にムズムズとした感覚が走った。
隣同士の部屋ではあるが、壁は厚く物音や声はほとんど聞こえない。それなのに何となく晴彦がナニをしているのか感覚で感じ取っていた。この状態になってしまっては落ち着くまで集中する事は難しいと踏んだ輝彦はシャーペンを置いた。
そしてベッドに座り壁にもたれ掛かるとズボンを下ろし、下肢に触れる。
一方、晴彦は枕に顔を埋めながら四つん這いの状態で自身を慰めていた。手で扱くだけではなく、先端部をシーツに擦り付けるように腰を振る。
「っひゃぁっ……んんっ……んっ」
何故か分からないがさっきよりも強い快感を感じて声が抑えられなくなってしまう。
晴彦と輝彦の自慰行為は双子ならではのテレパシー的なそれで互いを高めあっていたのだ。
「ぅあ……ッンン……も、でちゃ……っ」
晴彦はあっという間に達し、シーツを汚した。
* * *
翌朝は何事も無かったかのように普通に過ごした。
普通におはようの挨拶を交し、朝ごはんを食べ、学校へ行く。勉強をし、昼休み……輝彦はこっそりトイレで自慰をした。
高まったからと言うよりは自分の方が先に始めたら晴彦はどんな反応をするのか気になったからだ。
反応が気になったので呼び出してみようかとも思ったが、自分が高確率で感じる事もあってかどこか変な自信みたいなものがあった。
放課後も特に何事もなく一緒に帰宅、夕食を食べ普通に過ごした。
そして、夜。
晴彦が風呂に入ったのを確認すると輝彦も後を追って風呂場へ入る。
「あれ?珍しい……一緒に入んの?」
「背中流してあげようかなって」
「気が利くねぇ〜、じゃぁお願いしようかな」
輝彦の行動に何の疑問もなく受け入れる晴彦。昔から変わらず一緒に風呂に入る機会があるので、何の不思議もないようで、兄弟だからと身体を隠すこともしていない。
「んー、もっと下の方。そう、そこ!そこ強めに擦って〜」
人様に洗ってもらうのが心地良いと晴彦は目を瞑った。
鏡越しにそれを確認した輝彦は徐々に洗う範囲を広げて行く。背中から腰、腰からお腹……そして下腹部へと手を滑らせると流石に晴彦は言った。
「前は自分でできる、から……」
「いいよ、遠慮しなくて。僕が全部綺麗にしてあげる」
意味深な笑みを浮かべて輝彦は言った。
「んっ、別にそっちは頼んでない……し……」
まさぐるように滑る手の感触に思わず眉をひそめた。
「頼んでなくても、してあげる……あっ、ごめん手が滑った」
わざと下肢に触れるように手を滑らせると、晴彦のソコは少しだけ反応をしめしていた。
「あれ?こっちも洗って欲しい?」
「いや……そ、そこはちがっ……」
わざと下生えを擦って泡立たせながらその泡を太ももとその間に塗りこんだ。
「裏の方もちゃんと洗ってあげるね」
そんなことを言いながら指で輪を作り緩く上下に動かす。泡が滑りクチクチと音を鳴らす。
「んぁっ……だめ、って……てる……」
晴彦は輝彦の腕を抑えるが上手く力が入らない。
「勃ってきたね……きもちい?」
濡れた音が風呂場に反響し響いて耳からも刺激される晴彦。身体を小刻みに震わせながら必死に声を抑えるも、漏れ出てしまうようで両手で口を抑える。
「んっ……んん、……ふっ……や、やめ……」
「ちゃんと洗わないと……ね?」
「そ、んな触り方……ちがっ……」
足を閉じようと力を込めるも、中心部に輝彦の手がある為挟むような形になってしまう。
「はる……そんな挟んだら洗えないよ?」
「だ、から……しなくて……いいって……んっ……言ってる、のに……」
「僕がしてあげたいんだもん。ね、いいでしょ?」
耳たぶを食みながら囁く輝彦。なんとも言えない感触に晴彦は身体を震わせた。
「ねぇ……昨日1人でしてたでしょ」
「え……何言って……そんな訳」
突然、昨日の事を問われて晴彦は固まってしまう。
「分かるんだよね……双子だからさ……。はるがここ慰めてるとき、気持ちいいの伝わってくるんだよ」
「う、そ……」
「ホントだよ。はるだって感じた事ない?何にもしてないのに急にじんわりとなるの……はるだって感じたこと有るでしょ?」
耳元で囁かれて晴彦は不意に昼休みの事を思い出した。
「あれ……か?」
「そう……あの感じ。昨日の夜勉強してたら伝わってきたんだよ……だから僕はこうやって……自分で慰めたんだ」
晴彦の股間を昨晩自分でしたように擦りあげる。
「あっんんっ」
「シー……あんまり大きい声出すと響いて外まで聞こえちゃうよ」
輝彦はにやにや妖しく笑いながら言った。鏡越しにぼんやりうつるその顔に晴彦は体を硬直させてしまう。
「てる、がぁ……さわるから……」
「声我慢できないの?かわいいね、はる……」
「……ばかぁ」
ダメだと分かっていても身体が勝手に反応してしまう自分が恥ずかしくて晴彦は涙を浮かべた。
「ねぇ、はる……僕ともっと気持ちいいことしたくない?」
ゆるゆるとへその下を撫でられ、それが何を意味しているのか晴彦は分からなかったがこのまま燻るのはイヤだと静かに頷いた。
* * *
2人はそのまま簡単にシャワーで泡を流して輝彦の部屋へ直行した。
まだ十分に水気を拭き取っていない身体のままベッドへ晴彦を押し倒す。輝彦も同じで、髪からは水の雫が滴っていた。
濡れることも厭わず、抱き合い口付けを交わす。初めから舌を絡め取るようにキスをしたのは晴彦だった。
「気持ちよくなっちゃった?」
「う、うるさい……お前のせいだから……」
「ふーん、そうなんだ。なら、もっとその気にさせてあげる……」
こんなキスでは物足りないと輝彦は笑って、晴彦の胸へ手を伸ばす。シャツの上からキュッと突起を抓りクリクリと指の腹で擦りあげる。
「ひ、あっ……んんっ……」
「気持ちよさそうだね……ほら、見て、はるの乳首が真っ赤に膨れ上がってるよ……」
「んやぁっ……ち、が……しらない……」
ぷっくりと膨れた胸の突起をさらに刺激。
「指でするのと、舐めるのどっちがいい……?」
片方はべーっと出した舌で舐め上げてから口に含む。
「んぁっ、 ……わ、かんなっ……ひぁッンン……」
どちらも気持ち良いようで晴彦は腰を揺らしながら甘い声を洩らす。
「かわいい……」
輝彦は晴彦の唇を塞いで愛撫を続けた。最初は遠慮がちだった晴彦も次第に自分から舌を絡めるようになった。
「んふっ……んぅ……っ」
互いの唾液が混ざりあってちゅくちゅくと水音が脳に直接響く。
胸を刺激していた輝彦の手は徐々に下へと降りて行く。
「はる……きもちいい?」
「よく、ない……っ」
「嘘つき……さっきから気持ちいいの伝わってきてるよ……それに……見て、凄い勃ってる……」
「うぅ……言うなら……ばか……」
晴彦は涙を浮かべながら輝彦の手を退けようと動く。
「ぁ……っ」
手を動かしているうちに輝彦の硬くなっているソレに当たってしまう。
「な、に……硬くしてんだよ……」
「はるがエッチだから仕方ないよね」
僕のせいじゃないよと笑う輝彦。
「はるは僕のせいでこんな事になってるけどね……」
輝彦は晴彦に足を開かせ、閉じられないように身体を割り込ませた。そのまま勃ちあがった晴彦自身をパクリと口にくわえ込んだ。
「んあっ……ば、ばかぁ……そこは……っ、んぁぁっ……」
口の中で先端を転がすと晴彦は腰を浮かせながら小刻みに震える。
風呂上がりで、体温も高くなっているせいもあって火傷でもするのでは無いかと思うほどだった。
「口んなか……あ、つい……」
「ビクビクして……かわいい……もっとしてあげるね……んっ」
輝彦は顔を上下させながらジュルジュルとわざと音を立てながら晴彦のソレを吸った。
「ひぁぁぅっ……ンンっ……て、る……やめ……」
「やーだ」
突き放そうと動くも力が入らなくて輝彦の頭を抱え込むような体勢になってしまう。
輝彦は舌を尖らせ先端の窪みをクリクリと抉りなごら溢れ出る蜜を飲み下していく。
「……んっ、はる……さっきからえっちな汁止まらないね……どんどん溢れてくる……」
先走りを指で拭い輝彦はそっと晴彦の後孔をなで上げる。
「ひぐっ……やっ……てる……そ、こは……」
後孔を指の腹で軽く押すとそこはヒクヒクと反応していた。
「物欲しそうに動いてるね……わかる?」
先走りがそこまで垂れてくちくちと微かに音を鳴らす。
ゆるゆると周りから丁寧に解していき、ツプリとまずは1本押し入れる。
「んくっ……ぅあ……っ」
まだ数える程しかいじったことの無い後孔は違和感に蠢く。
「狭いね……昨日はココ触らなかったの?」
「……さわっ、て……ない」
輝彦に触れらた時はすごく気持ちよくて腰が溶けそうだったに自分で触れた時に全く気持ちよくなくて触れる事をしていなかったのだ。
「そう……なら僕がいっぱい気持ちよくしてあげなきゃね」
そう言うと輝彦は内部を広げるように指を動かし始めた。
「んんっ……ふぁっ……」
一瞬だが、内部の一部に触れた時、晴彦は大きく腰を揺すった。あの快感が身体を駆け巡ったのだ。
「やっぱりここ気持ちいいんだ……」
いつの間にか増やされた指で前立腺の周りを緩く擦りあげられる。微妙に前立腺とは違う所の刺激で晴彦は身体の奥が疼くような気がした。
「はぁんっ……んんっ……」
「はる……やらしいね……腰動いちゃってるじゃん……」
「……っ」
確かな快感を求めて晴彦は無意識に腰を動かしてしまっていた。
恥ずかしくなりピタリと動きを止めて、輝彦に動かしてと懇願する。
「ここ……?」
「んゃっ、ちが……ァッ……もっとおくぅ……」
「こっちかな……」
輝彦はわざと違う場所ばかり触れながらも晴彦を煽っていく。
「やぁっ……てるっ……そこじゃな……っ、おくっ、おく……痒いの……」
焦らされて身体の疼きがさらに増した晴彦は言った。
「……でも、指じゃ届かないよ?」
「てるので……かいて……おねがっ」
ようやく求めていた言葉を聞けたようで輝彦は満足そうに笑って晴彦の頭を撫でた。
「ふふ、いいよ……たくさん僕のでかいてあげるね、おにーちゃん……」
輝彦はわざと晴彦をお兄ちゃんと呼ぶ。そうする事で背徳感が増して晴彦の感度が上がった。
ローションを継ぎ足し、輝彦のソレにもたっぷり塗りたくる。それから待ちわびているようにヒクヒクと蠢く後孔へと宛てがい、ゆっくりと挿入していく。
指とは比べ物にならない熱と質量を感じて晴彦は身体を震わせた。
「な、に……なんでぇっ……そんな呼び方……」
「その方が気持ちよさそうだから……いいでしょ、おにいちゃん」
案の定、晴彦はその呼び方で呼ばれる度に締め付けをきつくする。
「らめっ……そんな、やめ……んんッ……」
「ダメじゃ無いでしょ……さっきより中うねってるよ……」
僕には嘘つけないね、と耳元で囁く。
「……それにね、さっきからずっと気持ちいいの僕に伝わってきてるからね……」
普通では感じないだろう共鳴するような感覚で輝彦と晴彦は互いに快感を感じあっていた。
「はぁーーっ、んん……て、る……てるっ」
「は、る……キツい……そんなに欲しかった……?」
「ちがっ……わかんな……いつもと違うの……っ」
1人でするのとは全然違う快感に訳が分からなくなる晴彦。強すぎる快感に頭を左右に振りながらシーツを掴む。
「……はる、声かわいい……。でも、もう少し抑えないとね……まだ母さんたち起きてるかもだし……」
少しかすれた低く響く声で囁かれて晴彦は口を噤んでしまう。
「ひゃんっ……んんっ、んぅ……」
晴彦は声を抑えようと必死に手で塞ごうとするも、律動で維持できずにいる。
忘れずに前も刺激すると、内部の締まりがキツくなった。
指では届どかない奥の方まで穿たれながら晴彦は涙とヨダレで顔を濡らしている。トロトロになったその顔を見れば感じている事がわかる。
「きもちいね、はる……」
「んぁっ……ぃ、い……てるっ」
「はるの中……熱くて、溶けちゃいそう……っ」
ぱちゅぱちゅと音を立て抽挿が繰り返され、呼吸が上手く出来ない。
「……はる、キツいから少し弛めて……んっ」
「でき、な……アッ……んんっ……」
頭がぼんやりしてきて身体の熱はどんどん高まっていく。
いつの間にか輝彦は挿入しながら晴彦の胸に顔を埋め、突起を甘噛みしたり、舌で転がしたりしながらもう片方は指で刺激、そして反り返って腹に着きそうな晴彦自身も包み込んで上下に擦り上げる。その器用さに驚きながらも晴彦は全身を震わせながら感じていた。
「そ、んなぁっ……ぜんぶ、だめ……だめぇ……っ」
「んッ……はぁ……さっきからダメダメって……嘘はダメだよ」
「う、そ……じゃな……気持ちよすぎて……だめ、なのぉっ……ぉんっ」
「そっか……イきそうなんだ……」
「ンっ……」
「……なら、一緒にイこ……僕ももう出ちゃいそう……っ」
輝彦は晴彦の唇を塞ぎ一気に動きを早める。これでもかと言うくらいに抱きしめると、晴彦もぎこちない動きで輝彦の背中に手を回した。
「んんっ、ん……ンゥッ……」
「んッ……出すから……はる……っはる……うっ」
「んぁぁっ〜〜ーー」
奥を一際強く突き上げ、輝彦はたっした。同時に晴彦も精を放ち、輝彦の腹を汚した。
「うぅ……てるの……まだ……ドクドクして……る……」
「はるも……沢山でたね……あれ、はる……?」
晴彦はくてんと脱力し、目を瞑って反応が返って来なくなっていた。
「寝ちゃってる……」
輝彦はそんな晴彦の頭を撫でならがら笑いながらそっと呟いた。
「またしようね、おにーちゃん」
《終》
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