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第1話
◆
「いやっ、やめてっ、やぁっ!!」
ベッドの上でオレの体が跳ねるたび、スプリングが軋みをあげる。
この広い天蓋がついた部屋じゅうに響く水音がいやらしい。
隣にある燭台に灯っているロウソクの薄明かりが部屋を照らし、オレが何をされているのかを鮮明に映し出していた。
意地悪そうに、常にひん曲がっている薄い唇と十本の長い指がオレを暴こうと、むきだしになった肌の上を這い回る。
窓の方を見れば、空がしらじんできている。
時刻は早朝5時くらいだろうか。
オレは、毎夜毎夜、人々が寝静まった深夜頃から明け方まで、こうしてずっと組み敷かれている。
この、肩まであるプラチナブロンドの、広い屋敷の主人によって......。
「『いや』か? だが、お前のココは嬉しがっているようだが?」
サファイア色をした目がすっと細められ、オレを見下ろす。
今までオレの胸にある突起を執拗に吸ったり甘噛みしていたりする唇がひらくと、オレがとてつもなく淫乱だとそう言うように告げた。
男の言ったとおり、オレの胸にある突起は女性のように赤く腫れていた。
執拗に舐められ、吸われていたから濡れている。
それだけじゃない。
体の中心にあるオレ自身は勃ち上がり、先端から雫を流していた。
オレだって男なのに、同性の男に異性のように組み敷かれ、感じてしまう。
それがとても苦しくて悲しい。
とてつもない羞恥がオレを襲う。
「いっやぁっ!!」
だからオレは首を振り、違うと訴える。
そうしなければ、『オレ』っていう人格がこの男によって壊されそうだったから......。
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