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第2話

 男がもたらす快楽を受け入れてしまえば、何か恐ろしいものがオレの心を覆ってきそうで怖かった。  そんなオレの心情を何も知らない、上にいるソイツは、馬鹿にしたようにニヤリと笑うだけで、さっきまで行っていた作業の続きに取り掛かる。 「やめてっ、もう、いやだっ!!」 「ならば、さっさと俺を受け入れろ」  拒絶するオレにそう言うと、男はオレの太腿を目いっぱいひらき、そうして男の雄を後ろの孔で受け入れさせる。  熱を持つ男の雄がオレの孔へと挿し込んできた。  異物が中に入ってくる。  すごく不快だ。  それなのに、男がゆっくりとオレの中を犯すように進むと、甘い疼きみたいなものがやって来る。 「あっ、あああっ!!」  あんなに男を拒んでいたオレは腰を揺らし、男に後ろを弄ばれるのを悦んでしまっていた。  抽挿を繰り返されるたび、オレの口からはさっきの絶望的な声とは違う甘い声が部屋中を覆う。  オレは、一週間前までのオレとはまったく違った体になってしまったんだ――......。  そう思うと、目から涙があふれ、頬を伝う。  自分を(みじ)めにさせてきた。  ギシ、ギシ......。  ベッドが軋む音が、間髪を開けず、絶え間なく響く。  オレはそうして、この我が物顔でオレを組み敷く男の下で甘い声を放ち、心の中ではすすり泣く、絶望的な日々を送っていた。

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