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第37話

上質なシーツの上で、淫らに才加様の手に擦り付けるように腰を浮かし、夢中になってしまいそうな気持ち良さに耐えようとシーツを握りしめる。 「ハル、体強張らせちゃ駄目だよ。」 甘く囁く声が心地良くて、ぴりぴりと入り込んでくる気持ち良さに口からだらし無く涎が滴り落ちる。 ぐちぐちと痛くもなくくすぐったくもない絶妙な力加減で扱かれると、おしっこをしたいような感覚に襲われる。 頑張って出さないように力を込めても腰の力が抜けるような気持ち良さの前には無意味でただ快感に悶えるだけなのに、彼は更に追い打ちを掛けてくる。 「ぇっあっ……んんぅ!ぁっだ、だめっぇぇ」 湿った吐息とねっとりとした感覚が耳を侵してくる。 脳に直接じゅるじゅると啜る音が響くだけで、自分の声だと信じられないくらい蕩けている声が部屋に満ちていくのをどこかで他人事のように感じていた。 それよりも限界が近かった。 お腹の奥からせり上がってくるような大きな熱が渦巻いていて、それが爆ぜるという感覚が直ぐそこまで迫っている。 「んん…ひっ…で…でます! んひゃあぁ…出ちゃうから…て、てぇ離してくださいぃ」 とうとうハルはポタリと涙を溢しながら懇願した。 ご主人の手を直接止めてはいけないとわかっていたハルにはお願いするしかなかった。 なにより一度味わったあの感覚は怖くて、何より人前で見られながら弄られながら出すといのは恥ずかしくて、ハルには耐え難かった しかし才加がそんな願いを聞き入れることは無く、その時が待ち遠しいというような表情で淡々と愛撫していく。 ハルは気持ちいいのと見えないなにかが来る恐怖に怯えながらその時を迎えた。 「も…無理、だめっ…だめ、ぁっ!!いっイク!いきます!」 波打つように激しく腰が浮き上がり、びゅるる!と勢い良く射精した。 思考が停止して弾けるような快楽が体を支配して、吐精した後も余韻に浸りながらぼぉと宙を仰ぐ。 その様子を才加様はじっと見ながら呟いた。 「ふふふ…ぁ―、かわぁいい」 その瞳に仄暗い光を見た気がした。

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