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第6話
銀行からの帰り道、遂に眠さのピークが来てしまった。
くぁっとあくびをすると涙が出てきて視界が曇る。
ぼんやりと電車の入線を待っていると後ろでなにやらきゃあきゃあと賑やかな声が聞こえてきた。
声の方向を見ると女の子グループがこちらを見てなにやら騒いでいる。
元気でいいなと思いながら再びあくびが出た。
待っていた電車が来たのでさっさと乗って座席に座る。
ラッシュ時間も終わっている為、乗客も少ないのですぐ座れた。
「すみませーん。おにいさんカッコいいですねぇ?」
なんとか眠気を我慢して最寄り駅に着いたのに、後ろから甲高い声が聞こえてくる。
そんな声を無視して改札へ向かおうと歩き出すと、相手は諦めず俺の前に回ってきた。
気のせいでは無かったのかとついつい溜め息がもれる。
目の前にはいかにもな格好の女が立っていて、ニコニコを通り越してニヤニヤとした笑いが口許に張り付いていた。
「結構です」
「えー?一緒にどっか遊びに行きませーん?」
歩き出そうとすると、胸を反らせてこちらに胸を当てて来ようとするのでそれをスッと避ける。
眠いのに厄介なのに捕まったなと思うと、疲れで上手く思考が回らないのでイライラとしてしまったが俺は優しく女の耳元に顔を近付けた。
「俺、あんたみたいな金もって無さそうな女大っ嫌いなの」
「は?」
「きったないオヤジからでも金貰ってんの?その割に安っぽい格好してんな。しかもそのバッグ偽物だぞ。男引っ掻ける前にまずちゃんと自分の本当の姿が見える鏡でも買えば?」
「てめぇ!」
女の眉が面白いくらいぎゅっとあがる。
俺へ掴みかかろうとするので、俺はまたすっと避けた。
人の貴重な睡眠時間を奪っておきながらこれくらいで済んでありがたいと思って欲しい。
眠くさえなければバイト先の闇医者のつてを使って泡に沈めたりできるのだから。
「それに俺は高いんだけど、金のないあんたに払えんの?こんな真っ昼間から男に集るほど困ってるみたいだから今日は“特別に”俺と話すのもタダにしてやるよ」
俺は右側の口角だけをぎゅっとあげて笑うと、女の耳元から顔を離していい放つ。
周りには聞こえない音量で女だけに聞こえる声で言ってやると、顔を真っ赤にしている。
俺はそれを汚物でも見るように見下ろすと、長いネイルが刺さった掌をぶるぶると悔しそうに震わせぷるんとグロスでわざとテカテカさせている唇を噛んで悔しそうにしていた。
俺はすぐに思考から女を排除し人混みに乗って改札まで向かう。
「はぁ…疲れたぁ」
さっきの女も着いてくる事もなかったし、無事にマンションまでたどり着いた。
久々に言いたいことを言えたので気分的にはスッキリして鍵を開けながら満足げな息を吐き出す。
玄関の扉をくぐり、通帳やカードを抜いてカバンを放り投げる。
すぐに自分の部屋に戻り鍵付きの引き出しに貴重品をしまうと鍵を閉める。
カイとの生活で何かあるとは考えられないが、俺の心の平穏の為に鍵をかけた。
そのまま鍵を所定の場所に隠し俺は着替えるのも億劫でベッドにダイブする。
頭ではシャワーを浴びなければと思うが、すぐに意識が遠退いていく。
「んー。あー良く寝たぁ」
目を覚ますと日が傾き始めているのかカーテンに当たっている日差しがオレンジみを帯びている。
枕元の時計を見るとそろそろカイが帰って来るころだ。
カイは寄り道もせず帰ってくる事が多いが、たまに図書館などで気になる本などを読んでから帰ってくる。
お坊っちゃまなので行き帰りに送り迎えがあるが、携帯の使い方を理解していないので平気で迎えの爺やさんを何時間も待たせているらしい。
友達も今のところ居ないので寄り道なんてもっての他だ。
社交的な兄に比べて弟のカイは内向的で人付き合いが極端に下手で俺の事を唯一の友達位に思っている節がある。
「今更シャワー入るのもなんだからカイが帰ってきてから入るか」
もう一度んーっとのびをしてからシャワーも浴びずに寝てしまった事を思い出す。
こんな時間になってしまってはカイと一緒に入った方が早いだろう。
カイは本当に勉強以外の基本生活能力をどこかに落としてきたのか何もできない。
当然風呂も一人で入った日にはきちんと身体も髪も拭いてこないので床はびちゃびちゃで後片付けが大変だ。
当然風呂あがりのびちゃびちゃな状態で服を着ようとするが服は濡れるし、濡れたせいで上手く着られないものだからもたもたしているせいで風邪を引く。
そのくせ綺麗好きなので、こんな時ばかりは本当のウサギだったらどれだけ良かったかと思ってしまう。
そんな事を思っていると玄関の方でゴトゴトと音が聞こえている。
「た、ただいまー!!」
「おかえり。珍しいねそんな大きな声出して」
リビングの方へ軽い足音が向かってくる。
珍しく大きな声で飛び込んできたカイについつい笑みがこぼれた。
余程寂しかったのかこれまた珍しく俺に抱きついてくる。
普段は恥ずかしがってそんなことはしないのに、連日一人にする時間が長かったせいか随分と甘えん坊になっているみたいだ。
俺はぎゅっと抱きしめ返して首筋の匂いを胸一杯に吸い込む。
「ごめんカイ。疲れててお風呂入ってないからそんなにくっつかないで」
「当直だったんだろ?仕方ないよ」
「なら、お風呂はいろっか」
わざと身体を離すと、カイは名残惜しそうにしていたが一生懸命フォローをしてくる。
いざ現場に出れば2、3日風呂に入れないとは良く聞く話なので俺はなんとも思っていないがカイは本物のウサギ同様綺麗好きなのでわざと遠ざけてみた。
必死にフォローしようとするカイに一緒に風呂に入ろうと誘うとこくりと頷く。
「お痒いところはございませんかぁ」
「だいじょうぶ」
カイの白い髪に触れると絹の様にさらさらとしている。
シャンプーをつけるともこもこと面白いくらいに泡が立つので頭皮をマッサージする様に揉むとカイはこくりこくりと船を漕ぎだす。
俺は気にせずトリートメントまで終わらせてカイを湯船につけておく。
ウサギの耳の飾りがついたタオルキャップを被せているのでうとうとしているのが大変かわいらしい。
「ほら!ご飯食べたら髪乾かすよ!」
「このベーコンあぶらっぽくてやだ」
まるで育児だなと思いながらもカイがゆっくり食事をしているのを見守りながら俺もさっと食事を済ませる。
カイのスープには睡眠薬を入れてあるので薬が効きはじめるまでにさっさと髪を乾かさねばならない。
ぶつぶつと文句を言いながらニンジンのグラッセを食べているので問答無用で髪を乾かしはじめた。
「ほらこれも最後に飲んで」
「これやだ」
「仕方がないだろう。院長にも飲ませるように言われてるんだから」
「うぇー」
食後に錠剤を数粒掌に出してやる。
アルビノは免疫機能に問題があるため免疫向上の薬を常用せねばならない。
これにも念のため睡眠薬を忍ばせておく。
またしても文句を言いつつ薬を渋々飲んでいるが、既に最初の薬が効きはじめているのか首がガクガクしている。
「ほら、寝るよ!一緒に寝ようか?」
「うーん」
「本当に?いたずらもしちゃうよ?」
「うーん」
「言質取ったからね?」
「うーん」
薬のせいだと分かってはいるが、一応声掛けをすると返事が返ってくるので色々と聞いてみる。
許可は取れたので俺は気分良くカイを抱き上げるとベッドへ運ぶ。
ベッドの上におろすと子供のように目元を擦っている。
そんな仕草も可愛くて頭を撫でてやると、先ほど乾かした髪がふわふわと手に絡む。
名残惜しいが今の間に使った食器を洗いにいく。
「カイごめんね。早く遊びたかったのに、色々邪魔な人達のせいで中々遊べなかったね。でも、そのお陰でお金も貯められたよ。寂しい思いをさせた分、今日はたぁくさん遊ぼうね」
すぅすぅと規則正しい寝息を立てるカイにバードキスをすると頭を撫でる。
寝ている筈なのに俺の手に頭を擦り付ける仕草が健気でかわいらしい。
俺はこの前使えなかった玩具を取り出して少しめくって見えているカイのお腹に押し付ける。
カイの薄いお腹にめり込む玩具の鮮やかな色が実にアンバランスで現実味がない。
「もっとご飯食べないとだめだよー」
服を全て取り去ると、どこもかしこも肉が落ちている。
数日でもすぐ痩せてしまうカイに俺は軽くお尻を叩く。
ペチペチと軽い音がするが前に比べると薄くなってしまって残念だ。
足を広げさせ俺はゴム手袋を両手につけると掌でローションを温める。
温まったローションをカイの孔に塗り込み、少し括約筋の回りを刺激してやると身体は期待しはじめ孔がパクパクと収縮しはじめた。
ご期待に答える様に人差し指を挿入してやると、待ってましたとばかりに指をきゅっきゅっと一定の収縮で何かを搾り取る様に胎内が動いている。
「んっ!」
「大好きな前立腺だよ」
胎内の収縮を無視して腹の方へ指を曲げるとしこりを見つける。
はじめの頃は寝ていても痛がる素振りをしていたのに、今では少し擦ってやるだけで足を震わせて喜んでいる。
ゆっくりと指を動かすとくちゅくちゅと小さな水音がしはじめた。
しばらく前立腺を集中的に弄っていると足がどんどんと閉じてきて腕が上手く動かせなくなりはじめた。
「気持ち良くても足を閉じたら手を動かせなくなっちゃうよ?」
「あっ、あぅ」
「意識無いのに気持ちいい事は分かるんだね。良い子だね」
俺の言葉にゆるゆると足を広げたので、起きたのかと顔を覗き込んで眼球運動を確認するために手袋を外す。
上下の目蓋を開くと赤い瞳がぐるぐると小刻みに動いている。
まだ睡眠は浅い様だがきちんと寝ている事が分かったのまた新しいゴム手袋を引き出して手に装着した。
「あっ、あ゛あ゛あ゛」
「ふふふ。声が漏れちゃうよね」
引き抜いた指を今度は一気に3本に増やして前立腺を指で挟んで揺らしてやる。
気持ちいいのかぐっと首を反らせるので、育った乳首がピンと主張していた。
自分の身体を少しずらしてカイを膝に抱くようにして抱える。
脇に置いていた玩具を緩んだ孔に宛がうと、柄の部分にまで孔の収縮の振動が伝わってきていた。
ゆっくりと器具を沈めていくと、息を詰めているカイが息ができるようにキスをしてやる。
「げほっ、げほっ」
「ついつい本気でディープキスしたら息ができなかったね。ごめんね」
つい夢中になって舌を絡めてしまったせいで息ができなかった様で口を離すと咳き込ませてしまったが、その間に玩具は全てカイの中に収まってしまっていた。
玩具の収まった腹を撫でながら乳首をちゅっと吸ってやるとその刺激に身体に力が入るのか玩具が押し出されてきてしまう。
掌で玩具の柄の部分を押さえながら執拗に乳首を舐めたり噛んだりしているうちにカイの腰がどんどんあがってきた。
まだまだ時間はたっぷりあるのだからゆっくり楽しもうと、俺は更に玩具を深く押し込んでやった。
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