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第66話
「今度さ、お前のお母さんに会わせてくれよ」
なんだか、結婚の申込みにでも行くように感じてしまい、何だか真那人の顔は赤くなってしまう。
「ダメ?」
真那人の反応が鈍いので、周防が様子を覗うように聞いてきた。
「ダメじゃ、ねぇよ……」
ボソボソと返事をすると、周防は満面の笑みを浮かべた。
「良かった!大事なお前のお母さんだし、俺も大事にしたいと思ってさ」
「ありがとうございます。俺の大事な周防さんに、会って欲しいです」
いつになく畏まった口調で言うと、周防は吹き出した。
「な、なんだよ」
「いや、なんか言い方がお前らしくなかったからさ、つい」
少し恥ずかしくて、真那人は頬を赤らめ口をちょっとだけ尖らせた。
「いいだろ、別に。ちゃんと礼が言いたかったんだよ」
「そか。ごめんごめん。むくれんなって」
周防は笑いが収まらずクスクスと笑い続ける。彼の笑顔が朝から見られたから、それで良いかと真那人は思った。
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