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第67話
次の日曜日、真那人は周防と自分の母親のところへ向かった。事前に連絡は入れていて、母親も家にいてくれることになっている。
真那人が高校を出る頃くらいまで過ごした実家だが、同じ都内だし今の家からも電車で三十分ほどで到着できる。
電車の車窓から流れる景色を見ていると、
段々と昔の記憶が蘇ってきた。
真那人は中高生時代もヤンチャで、母親を幾度も困らせるような少年だった。
小学生の頃は父親が”いない”ことでからかわれたりすることもあったが、成長するとなぜか僻みの対象となり何かと周りから難癖をつけられたりもした。
それに負けたくなくて、虚勢を張ったりしていたことを思い出す。
実に青かったと思う。でも、それも自分のパーソナリティーなのだ。過去は変えることができないし、今の自分がどうあるかが大事だろう。現在自分が自分の足できちんと立っているなら、問題はないはず。
真那人は過去を思い出しながら、周防の肩に頭をコテンと持たせ掛けた。
そうしているうちに、電車は真那人の実家の最寄り駅に到着した。
駅を出ると、目の前に複合施設が建設されていて驚いた。真那人が住んでいた頃にはなかった建物だ。
「何か、知らねぇ建物が建ってる」
「お前も知らない建物なのか?」
「あぁ。しばらく帰ってなかったからな」
「いつの間にか建物変わってて、何があったか分からなくなることあるよな」
「そうだな。ここ何あったかな」
そんな風に笑い合ってから、駅前のバスターミナルから少しバスに乗り、実家に向かった。長い時間ではなかったものの、懐かしい町並みが流れる。
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