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28.長いながい一日 16

修平は俺が食べ終わった食器類をキッチンに持って行くと、ベッドの上に向かい合うように腰掛けた。 「……何から話していけばいいのかわからないんだけど」 話したいことが纏まらない俺の手を修平はそっと握って柔らかく微笑む。 「ゆっくりでいいよ」 そう言ってくれたから、うまく話せるかはわからないけど、一番気になっている話をすることにした。 すごく緊張するけど、はっきりさせておきたいことだから。 一度大きく息を吸ってゆっくりと吐く。そしてもう一度、ゆっくりと息を吸い込んだ。 「……俺さ……、東海林は修平のことが好きなんじゃないかと思ったんだ」 「……え?」 俺が言った事が予想外だったのか、修平は軽く目を見開いてやや間の抜けた返事をした。 「だから、東海林は修平が好きなんじゃないかって思ったんだ。それで考えているうちに東海林は性格は悪いけど頭良いし、修平が悩んだ時とかアドバイスとかできるだろうって思って……。だから、いつか修平が……その、……修平が……東海林を好きになったら……どうしよう、とか思って……」 言ってるうちに俺は何言ってんだって少し恥ずかしくなってしまい、最後の方は俯きながら尻すぼみになってしまった。 でも一番気になっていたことを吐露して、俺は修平がどんな反応するのか怖くてたまらなかったのに、恐る恐るゆっくりと顔を上げて修平の目を見た瞬間、修平はあっさり言い放った。 「ありえないね」 「へ?」 あまりにあっさり言い放つので今度は俺が間の抜けた返事をしてしまう。 「僕が東海林をっていうのも、もちろんありえないけど。東海林が僕をっていう方なんか、ありえるわけがないよ」 そうは言われてもなんか納得できない。 そう思ったのには色んな理由があるからだ。 「で、でも、いつも東海林って俺に突っかかってくるし、いつも一緒にいるみたいだし、修平がいないところで修平の話とか……いつもしてくるんだ」 「東海林はそうやって千秋が焦ったりするのを見て面白がってるだけだよ」 「だって何かと修平の話をしてくるんだぞ!」 共通の友達だからといってそんなに毎回毎回その場にいない人の話なんか普通はしない。 それなのに、俺は真剣に話をしているのにも関わらず修平は話してるそばからクスクスと笑い始める始末で、俺はぐっと眉をひそめた。

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