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28.長いながい一日 15

*** 目を開けたら自分の部屋の天井が見えた。 帰って来たんだ……って思った。 体が辛いときってなかなか熟睡が出来ないものだ。 だるくて体の置き場がないような気がして今日は小刻みに眠っては目が覚めていたけど、帰ってきてからのこの眠りが一番良く眠れた気がして、目が覚めたらだいぶ楽になっていた。 生姜湯を飲んで汗を掻いたのも良かったのだろう。 時計を見ると10時半を少し回ったところだった。 遮光のカーテンがぴったりと閉まっているから今が夜なのか昼なのかよくわからないけど、多分まだ夜だと思う。 寝返り打とうとしたら修平も俺のベッドに突っ伏すようにして目を閉じていた。 手は寝る前と同じく繋がれたままで、やっぱり現実だったんだと思って安心する。 「……ん、千秋? 起きた?」 俺がごそごそ動いたから修平も目を覚ましたみたいで、体を起こすと同時に俺の額に手を当てた。 「まだ辛い?」 「大丈夫」 「熱、だいぶ下がったみたいだね」 「……うん、汗掻いたし」 「何か食べる? お粥作ろうか?」 少しお腹も減っているような気もしたし、それに何より修平が俺のためにお粥を作ってくれるってことが嬉しくて、そのままうんと頷いた。 そしてそのまま15分くらいうとうとしながら待っていると、修平がお粥を持って部屋に入って来た。 「えっ! もう、できたの?」 驚いて飛び起きると。 「こういうとき圧力鍋って便利だよね」そう言って修平は笑った。 圧力鍋ってものがどんなものかよく知らないけど、なんだか凄そうな鍋だ。 「とりあえず今、食べる分だけ作ったから。次からはちゃんと時間かけて作るからね」 にっこり笑う修平を見つめながら、茶碗によそわれたお粥を冷ましながら口に運ぶ。 すごく暖かくて優しい味がした。 次からはちゃんとって、もうちゃんとしたお粥じゃん。買ってきたお粥より全然旨いし。 やっぱり俺は修平の作ったものが一番好きで、それから修平と一緒に食べるのが好きで、一口食べると込み上げてくるものがあってなんか泣きそうになった。 すると自然と出てくるのは謝罪の言葉で。 「……修平、本当にごめんな」 すると修平は少し悲しそうに笑うと、俺の髪をそっと撫でた。 「ちゃんと話し合おう。僕も言葉が足りなかったって反省してる」 「……別れたり……しない、よな?」 「しないに決まってるだろ? 千秋の気になっていること全部話して? 僕も話すから。でもまずはお粥食べてからね」 そう言ってくれたことにホッとして食べれるだけお粥を食べた。

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