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30.それは宝物 17
ぐっと押し込まれた指は自分では届かなかったところまで届いて、思わず仰け反ってしまいながら声が出た。
「んっ、ああ……お、い……お前……んっ」
「ごめんね。我慢したんだけどね」
「さ、いごまで……んっ、我慢しろ…よ……ふぁ、あっ」
圧迫感に背を逸らす俺に向けた謝罪の言葉とは裏腹に、その長い指はぬぷぬぷと出し入れを繰り返し内壁を擦りはじめた。
感じる場所を知り尽くした指は敏感なしこりを捉えて指の腹で押し撫でながら圧迫してくる。
「あっ、ん…っ、や…ぁっ」
自分の意思とは違う動きをする修平の指に翻弄されながら体はどんどん熱を帯びていって、今日は全部俺がやりたいって思っていたはずなのに気がついたら気持ちいいところにあたる指を離さないように無意識に腰まで揺れてしまっていた。
「千秋、エロいなぁ。そんなに気持ちいい?」
さっきまで俺のほうに主導権があったはずなのに、いつの間にか修平に持ってかれて俺は修平にケツを向けて体を震わせるだけだ。
あまりの快楽に後孔を解していた指は抜け、今は力が抜けた体を支えるために俺の顔の横にある。
変わりに修平が指を3本差し込み、俺のいいところを擦りながら解していく。
「あっ、あぁ……んっ、ん…」
そこはもう十分すぎるくらいに柔らかくなっていてヒクヒク痙攣し、修平を今か今かと待っているようにも思えるくらい修平の指を締め付けていた。
そんなことは、修平にはやっぱりお見通しのようで、俺のことを起き上がらせると、また自分と向かい合わせになるように跨らせ、修平はにやりと笑いながら後孔に自身をあてがった。
そして。
「欲しかったら、自分で入れてみてよ」
足元を見られているようでムカつく。
睨むように修平を見るとまた修平は目を細めた。
「その睨んだ顔も、僕は好きだよ、大好き。ねぇ、早く入れてよ。千秋がしてくれるんだろう?」
こんなときだけ調子のいいヤツだ。
でも、俺の体も修平が欲しくてたまらなくて修平に見つめられるだけで勃ちあがったモノから蜜が滲んでくる。
本当に、俺って末期。
修平もだけど。
そんなことを思って、にっこり微笑んだ顔を見ながら修平のモノを掴んでぐっと体重をかけた。
すると俺の後孔は修平のを飲み込んでいく。
「うっ、ふっ……ッん……」
グプグプと飲み込めばあっという間に俺の中を修平が満たし、俺は修平の腕に爪を立て小刻みに体を震わせた。
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