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30.それは宝物 16
俺が何をしようとしてるのか修平も気づいたのだろう。
その瞬間、ぐっと黒目が濃くなった気がしてまたドキッとしてしまう。
「なんだよ。期待してる?」
調子に乗ってそんなことを聞いてみると修平は目を細めながら頷いていたので、少し嬉しくなった。
「なぁ、修平。さっきの恥ずかしかった?」
「ん?」
「俺の口の中でイクの。恥ずかしかった?」
「うん。ちょっとね」
その返事に気を良くして、俺は修平に跨る。しかし意気揚々と跨って後孔を解そうとはしたものの、目の前にある真っ直ぐ俺を見つめる視線に、すぐ耐えられなくなって恥ずかしくて目を閉じてしまった。
「そんなにガン見するなよ」
「見るなって方が無理だと思うけど」
でも何を言っても無駄な気がしてゆっくりと息を吐き出しながら、中指を奥まで入れると何度も快感を生み出してきたそこはすぐに反応して鼻にかかった声が漏れ出た。
「んっ、…っん……」
ローションがクチャクチャと音を立て、それが部屋に響いて恥ずかしくなってくる。
でも、その恥ずかしさに比例するかのように、中がじんじんと痺れ始めたのもわかった。
本当に俺は、心底修平に惚れているんだと思う。
だって今もさ、自分で解しているけど、目を閉じて想像してるのは“修平の指”なんだ。
そして、修平に早く貫いて欲しくてたまらなくて思わず指を2本に増やしてしまったんだから。
俺ってやっぱりエロいのかもしれない。
すると修平が起き上がってきて腰を掴んだ。
「後ろ向いて。もっと見たい」
「やだ! つか、この変態が!」
「全部、見たいんだよ」
「い、いや……えっ」
くるっと簡単に後ろを向けさせられると、指を後孔に埋めたまま四つん這いになって修平に尻を突き出す格好に顔から火が噴出しそうだった。
「千秋のここ、エロすぎ。もう2本も咥えてる」
「い、言うな!!」
「早く動かして。早く千秋のナカに挿れたい」
「だ、黙れ……」
修平は俺の言葉なんてまるで聞こえてないかのように艶っぽい声で言ってくる。
恥ずかしいけど、ここでやめるのも負けたみたいで嫌なのでゆるゆると指を出し入れするけど。
次第にもどかしいだけで体の疼きが止まらなくなった。
「んっ……ッ……ん」
部屋にはローションの粘着質な音が静かに響き渡る。
「本当に、千秋は可愛いね」
「なんだよ」
「大好きってことだよ」
「意味、わかんね……んあぁっ」
俺が答えているのを聞き終わる前に修平の長い指が、俺の指が2本入った後孔にぐっと割り込んできた。
「はぅ…んぁ……しゅうへ、触ん、な……って」
いきなり割り込んできた指が苦しくて息が詰まると同時に、快感が体を駆けた。
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