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7.夕焼けは媚薬 10
「ふ、ふざけんなよっ! 俺がいったいどんな思いをしたと思ってるんだ!」
「どんな思いをしたの?」
こういうケロッと涼しい顔で聞いてくるところが腹立つんだよ。
そんなの絶対に言ってやらねぇ。
それに、こっちには聞きたいことが山ほどあるんだ。
それに一番の問題といえばやっぱりこれだろう。
「なんでマリエちゃんと帰ってたんだよ。付き合ってんだろ?」
「誰がそんなこと言ってるの?」
「クラスの女子……」
そこまで聞くと新藤はハーっと大きなため息をついた。
「僕が彼女に興味ないのは千秋も知ってただろ?」
「だ、だってお前が腰とかに手を回してやがるから悪いんだ。妙に距離とか近いし、今までそんなことしなかったくせに……」
「ふーん。だから妬いたんだ?」
「だっ、誰が!? 妬いてねーよ」
噛みつくように語気を強めて返しても、新藤はクスクスと笑いながら言うだけで。
「僕のこと盗られると思った?」
「…………」
マジで、うるせーよ。
そう思いながら思わず黙り込んでしまった。
でも黙っていたら新藤に図星だと悟られてしまうことに気付いたときには遅くて。
「大丈夫。僕は最初から千秋のことしか見てないからさ」
サラッと言ってしまうこいつがムカついてしょうがない。
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