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番外編② 事の真相 2

移動教室から帰る途中に階段の踊り場で、塚本さんに偶然すれ違った。 「あ、……」 「か、柏木くん!」 そう声を上げた塚本さんは、ここで俺と会うことは想定外と言わんばかりの慌てようでパニくっている。 俺は俺で前に言えなかったことをここはビシッと言わなきゃ! そう思っていたのだが……。 先に口を開いたのは塚本さんの方だった。 「この間は急にごめんね。また近いうちに行こうとは思ってたんだけど……自分で言ったわりにあんな告白して会いづらくて……」 あはは……と力無しに彼女は笑った。 「告白のことなんだけど……」 ここでビシッと断れなきゃ男じゃねぇ。 だから俺から話を切り出したところで……また、塚本さんが先に話し出した。 「あ、あのことね……柏木くんにしか言ってないから他の人には内緒に……」 「え? 内緒?」 それは俺に告白したことをってことか? って考えていたら、塚本さんが恥ずかしそうに少しもじもじしながらボソボソっと呟いた。 「だから……私がふじょしだってこと」 え? ふじょし? 聞きなれない言葉に首をかしげる。 「周りにびーえる好きいないからばれると困るの」 びーえる? 何それ。 その単語もよくわからなくて、塚本さんに聞き返した。 「なぁ、びーえるって何?」 「え? もしかして知らないのに私ってば話を!」 ヤバイまた塚本さんがパニくりはじめてる。 「そ、それはいいから。びーえるって何かおしえて!」 「びーえるっていうのは、ボーイズラブの略で……」 塚本さんは俺にわかりやすくBLというものを教えてくれたのだが……。 世の中にそんなジャンルがあったとは!? 「そんなのが好きな女子って引く?」 「いや…………別に」 つか、俺はまさにそのど真ん中をリアルに行ってるので引ける立場ではない気がするし。

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