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番外編② 事の真相 3
って事は、こないだの告白って俺が好きじゃなくて、BLが好きだったって……。
勘違いにも程があるっていうかめちゃくちゃ恥ずかしいじゃねぇかよ。
俺のバカ。俺のバカ。
いいや、新藤と内川がけしかけるから悪い。
しかも、新藤にはあの後散々……なんだよ元から勘違いじゃんか!!
俺の頭にはいろいろグルグルしたものがあったのだが、塚本さんは俺が引いてないとわかって少し安心したようで、改まった様子で大きく息を吸い込んだ。
「それで、この間ね柏木くんに言いたかったことなんだけど……やっぱりこういうのは了解取りたい方なんだよ、私」
何を言いたいのか用件を早く言って欲しいが、言いにくいのか塚本さんはまたモジモジしている。
「いいから言ってみてよ」
すると、意を決したように真っ直ぐに俺のことをみて口を開いた。
「あのね、私……漫画とか小説とか書いてるんだけど、今度の主人公のモデルを柏木くんにしてもいいかな!?」
一瞬、何を言われているのか理解するのに少し時間がかかった。
でも、塚本の書いてるものはBL。そのモデルって事は……。
「お、俺が────!? どうして!」
「ごめんね! なんかめちゃくちゃ失礼なことを言ってるよね。でも、主人公のイメージに合うというか……。あ、柏木くんの名前とか一切出さないし……これは私の妄想だから……」
また必死に弁解している塚本さんだが、俺はその妄想の内容が少し気になった。
「……その妄想の内容を聞かせてよ。場合によっちゃ、許可するし」
「本当!? でも、もう1人の主人公の人に許可もらってないんだよ……」
「もう1人って誰?」
すると、また塚本さんは恥ずかしそうにもじもじしながら呟いたのだ。
「えっと…… 新藤くん」
ま、まじですか!?
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