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15.修学旅行最終日 14

そして何事もなかったかのように部屋に戻る途中で修平が先生に呼ばれたので、それが終わるのを廊下で待っていると、遠くからフラーフラーっと歩いてくる塚本を見つけた。 そしてしばらく塚本を見ているとなんだか様子がおかしいことに気付く。 いつもならどこかに隠れているはずだ。 しかも、塚本の視線が定まっていないように感じる。 すると塚本が俺の目の前を通り過ぎて壁にぶつかった。 でも壁にぶつかったことに気付いていないのか、そのまま壁に向かって歩き続けている。 えぇー!? おい、ちょっとまじかよ! 「おい、塚本! 大丈夫か? どうしたんだ!?」 たまらず駆け寄り肩を揺さぶると塚本が顔を上げ、その視線が俺をとらえたみたいだ。 「あ、柏木くん……」 「どうかしたのか?」 すると塚本は呆然とした様子で俺に話し始める。 「……さっき、内川くんに好きだって言われた」 おぉ! 内川のヤツ、ちゃっかり告白しに行ってたのか!? で、塚本はフラフラ歩いてたってのか! 「で、塚本はなんて言ったんだよ」 「告白なんてされたの初めてで……びっくりしちゃって。でも、本当の私を知ってもらわなきゃと思って、私は腐女子だって言ったの」 ま、マジか!? 意外とこいつって生真面目っていうかなんて言うか……。 すると俺の中には、その時内川はなんて言ったんだろう? って、当然の疑問が浮かび上がる。 「そしたら内川はなんて言ったんだよ?」 すると……ずっと呆然としていた塚本の頬が徐々に赤くなっていくのがわかった。 「内川くんね、女の子なんだから腐女子で当たり前だって。どんな君でも大好きだって……私、混乱して……あれから何を考えても、内川くんの総攻めしか考えられないの」 お前はこの状況でも腐かよ! つか、それは良いのか? 悪いのか? どっちなんだよ! 基準がわかんねーよ! 良いのか悪いのか聞こうと思ったんだが、振り向いたときには塚本はまたフラーフラーっと歩いていってしまっていたのだった。

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