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15.修学旅行最終日 16

「……って聞かれたんだよ」 そこまで話すと内川は一息ついてペットボトルの水を一口飲んだ。 そして続きを話し始める。 「俺さ、ここが新藤の言ってた懐の大きさを見せる場所だと思って、“女の子なんだからふじょしで当たり前だよ。どんな君でも大好きだ! ”って言ったんだ。でもそしたら頷いて呆然として行ってしまったんだけどさ……、駄目だったかな?」 「いや、内川の気持ちは響いてたと思うぞ。さっき見かけたけど嬉しそうな感じだったし」 「マジか!」 塚本の様子を話すと内川も嬉しそうにしていた。 つか、内川は本当に懐が広いかもしれない。 腐女子だと聞いて即答で当たり前だ! なんて言えるなんてなかなかだ……。 と思っていたら、内川が不思議なことを言い始めた。 「でも塚本さんって変だよなぁ。ふじょしなのって女の子なんだからふじょしに決まってるのにな」 内川の発言に何言ってんだと思って、ひとしきり笑ってからツッコミを入れる。 「いや、お前のとっさの一言は素晴らしいが、女子だからといって腐女子とは限らないぞ」 すると何故だろう。内川は首を傾げて俺に聞いてきた。 「え? ふじょしって女子って意味だろ?」 その瞬間、俺と修平は同時に内川が大きな勘違いをしているのではないかと思ったわけだ。 俺がどう言おうか悩んでいると修平が変わりに内川に尋ねた。 「内川くん。ふじょしのふってどういう漢字をイメージしてる?」 「え? 婦人の婦だろ?」 やっぱりか……。 すると修平も言いにくそうにしながら、内川に説明している。 「塚本さんが言ってるふじょしのふは腐るって字なんだよ」 それから俺と修平で腐女子のざっくりとした意味を内川に教えたわけなんだが……。 さすがにちょっと衝撃が大きかったみたいで。 「そんなジャンルが存在したのか……」 少なからず戸惑っているように見えた。

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