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15.修学旅行最終日 17
やっぱり最初は戸惑うよな。
しかもお前の目の前にいる俺たちはそのジャンルそのものだなんて言ったら倒れるかもしれない。
しばらく内川は口を閉ざしていた。
多分、一生懸命考えているんだと思う。
すると内川が重たそうな口を開いた。
「……ちょっとビックリしたけど、やっぱり好きだし。本人にも大丈夫だって言っちまったから後には引けねぇよ。あれだろ? 男がレズキスに妙なエロさを感じるアレと同じだろ?」
同じかはよくわからないけど、内川が前向きに言うならと、背中を押すような気持ちで俺も修平もウンウンと頷いた。
今後について悩んでいたらちょうど夕飯の時間になったので、3人で向かいながら話をしていた。
「まぁ、塚本も考えてくれるさ。きっと上手く行く」
そんなことを言いながら歩いていると、遠くで塚本を見つけたのだが……。
俺たちを見つけた途端にダッシュで逃げられてしまった。
がっくり肩を落とす内川の肩を叩きながら修平が
「焦らずにいこうよ」と言って励ましていたけど。
実際のところ、塚本は内川のことをどう思っているんだろう?
そんなことを考えながら、修学旅行最後の晩御飯を食べた俺たちだった。
✳︎✳︎✳︎
修学旅行最後の食事を終えて部屋に戻る途中、1人で考え事がしたいという内川とロビー近くでわかれる。
すると、どうしてだろう。
今度は俺に突然の問題発生!? 何故か急に修平の機嫌が悪くなったんだけど。
と言うのも、内川に笑顔で手を振っていたかと思うと俺を見るや否やぷいっとそっぽを向いて歩き出してしまったのだ。
えっ! えぇ!?
さっきまでラブラブだったじゃねぇかよ。飯食ってる間に何があったんだよ。
そのままスタスタと歩いていく修平の後を追いながら部屋に着くと同室の2人はまだ部屋に戻ってきていなかった。
部屋に入っても修平は話そうとはせず。
なんで? 理由が全く見えないんだが……。
「しゅ……修平?」
「…………」
修平は部屋の奥に向かって座ったまま微動だしない。
「なぁって!」
修平の肩に手を乗せて引きながら修平の体を向かせると、明らかに機嫌悪そうな顔をしてるではないか。
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