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18.背中合わせ 2

修平が鬱陶しそうにその手を払うと、機嫌ワルーとか言いながらさっきまで余裕ぶって笑っていたカナの目つきがギラリと変わった。 「でも変ね。私の仲間が言うには修平が女の子と歩いてるのなんか見ないって言ってたけど…───」 カナはニヤリと笑いながら修平を舐めるように見つめていた。 こいつは何か感づいているのか? それとも、ただ事実を言ってるだけなのか。 妙な沈黙は重苦しくて、視線がジリジリと痛い気がする。 修平は顔色を変えなかったけど、俺は物凄く緊張していた。 そしてカナは修平の腕に自分の腕を絡ませながら耳元で妖美な雰囲気で囁いた。 「もしかして彼女がなかなかさせてくれないから溜まってんじゃないの? ───…私がシてあげようか?」 その声は近くにいた俺の耳にも入って、余計に俺をイラつかせた。 くそー! こないだの子は俺で、俺と修平はラブラブなんだからなっ! なかなかさせないとかあるか! 事あるごとにヤりまくりなんだからなっ! なんて口には出せなかったけど、心の中で反論しながら睨んでいるとカナが俺に気づいた。 「なんなら、君も混ざる? 筆卸してあげてもいいよ」 そう笑いながら自分の唇の端をペロッと舐める。 その発言にまたもやイライラしてしまった。 筆卸だと!? ふざけんじゃねぇ。誰がおまえなんかと! つか、なんで俺は童貞前提なんだよ! それもムカつくんだよ! 童貞だけど! そんな仕草そこら辺の童貞なら前屈みになってしまうかもしれねぇが、俺はそこら辺の童貞とは訳が違うんだ! だからそんなことなるか!! お前じゃ勃たねぇんだよ! 修平じゃなきゃ勃たねぇんだから! って思ったそのとき修平がカナに向かって言ったんだ。 「いい加減にしろ。お前じゃ勃たない!」 余りにも俺が思ってたのと同じタイミングで修平が言ったから、思わず目を丸くして唖然としていると、修平が俺の腕を引いて歩き出す。 でもカナはそれくらいでは食い下がらなかった。 「意味わかんないんだけど! そんなに千秋ちゃんが良いわけ?」 「そーだよ。僕はもう、千秋にしか勃たない」 あまりの鋭い視線に乗せられた修平の言葉にカナは怒り震えながら立っていた。

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