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18.背中合わせ 4

家の近くまで帰ってきたけど、なんとなくお互いにまだ帰りたくないと思っていたので、少しだけ近くの公園に寄り道することにした。自販機でジュースを買ってベンチに座って飲んでいると、少し離れたところを歩く人を見つける。 「あ、咲良だ」 俺が呟くと修平も視線をあげた。 部活帰りだろうか? 今日は樹は一緒じゃないのか。 双子はいつも一緒に帰ってくることが多かったから、一人で歩いてる咲良を見ていると変な感じだ。 すると不意にこっちをみた咲良が俺たちを見つけて、手を振りながら駆け寄ってきた。 「あ、修平さん! ……と、お兄ちゃん」 と、って何だよ! 言うならばそこは、『あ、お兄ちゃん!……と、修平さん』って言うとこだろ⁉︎ ほんとに反抗期だと文句を言ってやりたいけど、修平と楽しそうに話す咲良を見て気持ちを飲み込む。 別に実妹に嫉妬したりなんかしないし、逆に反抗なく慕ってもらってる修平にも嫉妬したりしない。 若干の複雑な気持ちも無くはないが、俺の家族と修平が仲良いってのは見ているとなんか嬉しくなるからだ。 咲良もジュースを買ってくると言って自販機の方に走っていった。 するとすかさず修平が俺の耳元に顔を寄せる。 「やっぱ兄妹って似てるよね」 ま、まさか!? 今更、妹のがいいとか言わないだろうな! 「まさか、妹のがいいのか!?」 思わず聞いてしまうと、修平はクスクスと笑いながらかぶりを振った。 「違うよ。やっぱり似てるなぁと思って」 「そりゃ、兄妹だからな」 まさかと思ってびっくりしたのが恥ずかしくて顔を伏せると、修平の声が少しだけ小声で囁くように言った。 「こないだ千秋が女装しただろ? あの時と凄く似てる。咲良ちゃんも化粧したらあんな感じになるんだろうね」 いやいや、女装した兄に似てるとか咲良からしたらかなり複雑だから。 って思いながら顔を上げたのだけど、修平がけっこう真剣に言ってるみたいだから笑ってしまった。 そうしていると、咲良がジュースを買って戻ってきたので、三人でジュース飲みながら他愛ない話をして時間を過ごしたのだ。

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