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18.背中合わせ 13

すると修平の影が近づいてきた。 もしかして……なんて期待するのは危険だってわかっているのに。 やっぱり思い直してくれたんじゃないかって思って顔を上げる。 しかし、その予想はやっぱり当たることはなく、すぐに自分の甘さを痛感することになった。 修平は自分のスマホの画面を俺に見せつけた。 「俺の番号……?」 アドレス帳の俺のページが表示されていて、俺に見せると修平は操作をしてまた画面をみせた。 そこには、【削除されました】の文字が表示されている。 それからLINEのIDからSNSのアカウントなど、ありとあらゆる俺の情報が目の前で修平のスマホから消されて行った。 淡々とそれを操作する修平の姿を目の当たりにして、とどめを刺された気がした。 溢れる涙を自分で拭い、恐る恐る顔を上げると修平は俺に背を向けていて。 「男と本気で付き合うと思ってた?」 冷たく言い放ち歩いていく修平を追う勇気も気力も、もうない。 修平を失いたくない気持ちと、もう傷つきたくないって気持ちが交差してうまく自分をコントロール出来ない。 頑張ろうって思ってた。 絶対に修平を取り戻すまで諦めないって。挫けないって。 でも、もう俺の心は容量がいっぱいで、もうこれ以上傷付きたくなくて、追いかけようにもうまく足を動かすことすら出来ない。 修平の背中をただ見送ることしかできなくて、悔しくて情けなくて。でもまだ好きだから俯くと目に溜まっていた涙がぼとぼと落ちた。 信じたくないけど……いや、まだ信じてねぇけど……本気で、俺と別れるつもりなのか? あんなに好きだって言ってくれたのに。 あんなに愛してるとか恥ずかしがらずに言ってやがったくせに。 ……俺をここまで本気にさせたくせに。 俺だけ残して、さよならってありかよ。

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