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奴隷を拾いました

今にも死にそうな人(奴隷)の元へ走って向かう。 どうしよう…助けられるかな… 「すぐに助けます!」 うっすらと目を開けた金髪金眼の人(奴隷)の表情が和らぐ。 すっと目を閉じて… 「って…寝ちゃダメですよ!」 まずは傷などの消毒、それから傷を塞ぐイメージで。傷の前に手をかざすと、治れ治れと呟く。 「クリーンからの治癒っ」 ぱっと眩しい光が負傷者を包む。ぱっくりと割れた傷が塞がった。 傷は塞がっても大量に出血していたので、これで助かるかは分からない。 「生きてますか?」 弱々しくも奴隷の人は僕の質問に頷く。 クリーンをしたからか奴隷はキラキラピカピカしている。流石、クリーン… 後ろを向けば死体の山。このまま道に放置したりして、「誰が殺したんだ!」と犯人探しとなり、僕が犯人だと知られて、異世界生活がずっと刑務所になるかもしれない。 「…ちょっとだけ後ろを向いてもらってもいいですか?」 奴隷の人に後ろを向いてもらって、僕は死体を燃やし土に埋めた。 あとは、この人(奴隷)に口止めをせねば… 口止めって脅せばいいのか…脅しなどした事がない。それよりも、目の前にいる人(奴隷)は喋れる状態では無さそうだ。 「まずは水かな…」 空気中にある水素と酸素の化合物。集める感じでイメージすれば、目の前に水が現れた。 あ…コップがない… 奴隷商人の荷物を漁りこっぷを見つけると、奴隷に水を少しづつ飲ませた。力なく馬車に背を預ける奴隷。 金髪で髪も少し長い。 前髪の隙間から見えた顔は整っているように見える。 ……どこかで見たことあるんだよな。この顔。 奴隷は犯罪奴隷や謝金奴隷、連れ去られて売られる場合、親に売られて奴隷になるなど、様々な理由があり奴隷になる。 目の前の人が犯罪奴隷の場合、完全に回復したら襲われる危険があるので、鑑定をしておく。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ レオン(レオン・シェーンディング・バルド) 14歳 誕生日6月18日 Lv16/100 『スキル』剣術A 護身術A 強靭A 縮地B 毒耐性C 魅了耐性S 『称号』元王子 奴隷 『属性』火属性  補足▼ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ふむふむ…年齢は14歳。同い年じゃん。 スキルは大雑把に言うと剣が得意なのかな? ん?補足? 補足▼ 自称・神様より。彼の保護お願いね〜 「はぁ…」 ワケありを保護。面倒なことに巻き込まれると予感はしている。しかし、神の頼みだ。保護しなければ天罰(エロ本)が下ったりしそう。 それより、レオン…ってどこかで聞いたことあるな… 金髪、王子、レオン…… …思い出せそう。 「あああああああああああ!!!! 数週間前に発売された乙女ゲー厶『ドキドキ♡イケメン男子と恋する乙女』じゃん!!」 まさかの買ってないやつ。 未プレイで王子をなんとかするってことでしょ? 無理ゲーすぎる!!!! いきなり大声を出したからか王子(元)の体は震えている。きっと僕が怖いのだろう。その姿は、虐められていた僕と重なった。 「…ごめんなさい」 掠れた声で頭を庇う姿に胸が傷んだ。 最初は乙女ゲームのパターン的に悪いことをして国外追放とかされたのかと思ったが、見るからにそんなことはしなさそう。 神様が頼むくらいの人だから悪い人ではないと思う。 「たっ旅をしませんか?」 なんつーセリフじゃ!主人公っぽくキメられない僕…コミュ症ちょっと入ってない?久しぶりに人と会話するから、上手く話せない… 「……旅。ご主人様と一緒に?」 「那月…ナツキでいいよ」 「奴隷がご主人様に名前「ナツキって呼んで欲しい」」 「………ナツキ様。よろしくお願いします。」 様は付けなくていいんだけどな… これ以上言ったら押しつけになるし諦めよう。 「よろしくね。レオン。」 ─────────────── 現在の主人公のステータス▼ 『櫻田 那月・さくらだ なつき』 Lv8 年齢 14歳 『スキル』鑑定C 投擲B 風魔法S 披露耐性B 痛覚耐性A 治癒S 空間収納∞ 解錠 生活魔法(クリーン)B ファイアーC  風壁(ウィンドウォール)S 翻訳魔法S 大地操作A 水生成B 『称号』自称・神からのお使い(色々と付けておいたよ☆) 異世界人 レオンのご主人様 属性:Error

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