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盗賊と遭遇しました。
「取り敢えず、ゴブリンとか返り血とかどうにかせねば…」
魔法は想像力(イメージ)。
ゲームだと空間収納(アイテムボックス)があるよね…
ここには違う新しい空間があるイメージ、種類分けできるようにしたい。あとは時間停止できればいいなぁ、、、なんて考えていたらゴブリンが闇の中へと吸い込まれた。
「えっ…」
怖っ!!なに!!ブラックホールみたいだった。
リアルで見るアイテムボックスは怖い。無機物を入らないようにすれば、間違っても自分を巻き込んで収納することはない。
あとは、返り血だけ。生活魔法で綺麗にできるかもしれない。バイ菌とかありそうだし、除菌とかしよう。
体が全体が光に包まれ、血や汚れが消えていく。ついでにベトベトだった汗も消えた。
「これでお風呂入れなくても大丈夫だ」
少し歩けば、舗装された道に出た。
やっと普通の道。普通っていいね。
“やっやめろぉぉおお!!助けてくれ…“
数十メートル先で人が争っている。巻き込まれたくないため、すぐに木陰に隠れた。
悪そうな顔の男たちが、豚のような男を襲っている。
馬車には鎖に繋がれた男がいた。どう見ても奴隷である。
鑑定で見れば、男たちは盗賊と奴隷商人(豚)だということが分かった。
盗賊の方はなかなかレベルが高い。魔法スキルも多い。火魔法や水魔法もある。
怖い…ゲームとは違うリアルな盗賊だ。
震えたまま僕は何もできずただただ見ている。
「お願いだ。金も奴隷もやるから見逃してくれ!」
「あ?俺たちに命令するな!!」
盗賊の男が剣を振ると、豚のような商人が奴隷を盾に使った。
「があっぁぁぁぁあああああ!!!!!」
奴隷の胸に深い傷ができ、傷から血が溢れ地面へと広がる。
あの出血は致死量を超えている。
カサついた唇は震え、瞳からは涙が零れる。
「………タスケテ」
震えた手で奴隷は奴隷商人に助けを求める。だが、奴隷商人はその手を汚らしいと踏みつけた。
「お前みたいな奴隷を助けるわけないだろ!!」
"助けるわけない"虐められていた僕を誰も助けてくれなかった。見て見ぬふりをされていた。
目の前にいる奴隷と僕が重なった気がして、絶対…助けたら僕が危ないって分かってるのに、体が勝手に動いた。
石を持つと盗賊と奴隷商人へと向かって投げる。
ドゴォォォォォオン!!!
ストライク!!コントロール抜群!!!!
なんて心の中では実況したけど……
あぁ、、、どうしよう。
異世界召喚 初日で人殺ししてしまいました。
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