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第1話
「謝りたいんだ。」
ずっと好きだった。
出会った子供の時からずっと。
隠し通して隠し通して、この年になるまで親友で通してきた。
あの日までは…
秋 がいつもは飲まない酒を飲み、真夜中、泥酔して俺の部屋の扉を叩いた。
「どうした?」
扉を開けるといつもは冷静で感情なんかないかのような秋が、泣きそうな目で笑いながら立っていた。
「悪りぃ。終電逃した。」
「入れよ。」
扉を背中で押さえながら、秋の背中を押して部屋の中に入れた。
ガチャっと鍵を閉め、靴を脱がせて部屋に上がらせると、ガクンと俺の目の前で膝から崩れ落ちた。
「おい、大丈夫か?」
肩を掴んで顔をあげさせようとするが、ぼたぼたと床に雫の塊が落ちるのに気が付いた。
「泣いて…いるのか?」
「泣いてないっ!」
俺の言葉にがばっと頭を上げると、そこには涙でぐしゃぐしゃになった秋の顔。
可愛いな。
初めて見る秋の泣き顔にドキッと心臓が高鳴る。
そっと頬に触れた。
涙を指で拭う。
「これは何だ?」
涙を拭った濡れた指を見せると、顔を真っ赤にして横を向く。
「どうしたんだよ?お前らしくもない。」
ぺろっと指を舐めると口の中にしょっぱい味が広がった。
「舐めるなよっ!」
「それで?」
一瞬の間の後で、秋が重い口を開いた。
「…振られた。」
「え?!」
「結婚するから、この関係をもうやめたいって…言われた。」
「付き合…っている奴が、いたのか?」
「あ?あぁ…」
「え?誰と?いつから?」
俺の言葉に秋の顔色が変わった。
明らかにしまったと言う表情で青ざめていく。
「ごめん。今夜の事は忘れてくれ…」
そう言いながらまだ震える足で立ち上がろうとする。
しかし、すぐにバランスが崩れて再び廊下に座り込んだ。
「なあ、誰と付き合ってたの?俺にも言えない子?」
逃がさないと言う気持ちが、秋の肩を掴む手に無意識に力が入る。
「結婚するから別れてくれって、すごい女だな。」
「女じゃ…ないんだ。」
「え?じゃあ、男?なに、お前ゲイ…だったのか?」
「ごめん…」
「何で謝るんだよ?」
「だって…嫌だろう?男をそう言う対象として見てるわけだから…お前の事だって…」
見上げた視線が俺の目と合い、顔が真っ赤になり下を向く。
「そうだった…のか?」
「だから、ごめん…ともかく今夜は帰るわ。」
再び立ち上がりかけた秋の腕を強く引っ張る。
急に引っ張られてバランスを崩した秋が俺の胸に転がり込んだ。
「あぶなっ!!」
「俺だって…」
「え?」
「俺だってお前の事、そう言う目で見てた…ずっと。」
「う…そだ…」
「嘘なんかでこんな事は言わない!」
「……。」
「お前にバレないように…親友としてお前の隣にいる為に…我慢してたのに…俺はお前の事…ずっと我慢してた…のに。お前は男と…っざけるな!」
無茶苦茶を言っている自覚はあった。それでも、自分を止める事はできなかった。
「…ごめん。」
秋が謝る。
きっと俺の迫力に負けて、言葉が出たんだろう。
だけど、それを聞いた俺の頭の中でブツッと理性を守る何かが切れる音がした。
そうだ、秋が悪いんだ!
だったら…
思うと同時に体が動いていた。
胸に抱いた秋の唇に自分の唇を合わせる。
嫌がる秋の顎を掴んで力を入れると、少し開いた口に舌をねじ込んだが、歯を閉じて抗われた。
「ちっ!」
舌打ちをして指を歯と歯の間に突っ込む。
「噛むなよ。」
言ってから指の隙間から舌を無理矢理入れた。
「んーーーーー!」
秋が嫌がる声を上げるが、無視して舌を絡めた。
「はあ…は…ぁあ…」
秋の体から段々と力が抜け、俺にされるがままに口内を嬲られ感じているその背中を手で撫で、そのまま下半身に向かうが身を捩って逃げようとする。
それを無理矢理床に押し倒して馬乗りになると、脱いだ上着で両手首を縛り上げた。
「やめろっ!」
「もう止まんねえよ。ずっと我慢してたんだ…止まれねぇし、止めたくもない。」
「今日は、やめてくれ!」
必死に懇願する秋に違和感を感じた。
「今日じゃなきゃいいのか?」
「…っ!」
黙り込んだ後で、意を決したように頷いた。
「分かった…」
一瞬、自分の意見を受け入れたと思った秋がホッとしたのか、身体から力が抜けた。
「だったら、尚更そのダメな理由を今から見させてもらう。」
え?とでも言うように見開いた目。
俺は秋のシャツに手をかけ、引きちぎるようにはだけさせた。
「やめっ!!」
「何かあるから、そうやって言うんだろう?それが何なのか、教えろよ。」
キュッと唇を噛み、俺を睨む。
「何もない!!」
戒められた手を動かし、解こうとするのを横目で見ながら、下半身を一気に露出させた。
「うわっ!!やめろっ!やめろって!!」
激しく頭を振って嫌がる秋を無視して、形の良い二つの膨らみの間に顔を近付けると、中から白いそれと分かる液体が垂れた。
「何だよ、これ…」
指で拭って秋の目の前に差し出す。
顔をこれ以上ない位に赤くさせて、秋がそれから顔を背けた。
「どんだけ入れられたんだよ…」
「…最後だから…」
秋の言葉に体がかっと熱くなる。
「お前から頼んだって事か?」
「違うっ!!」
「…。」
無言でいる俺に秋が悔しそうに話し出した。
「別れるって言われた後で…最後だからって…裏道でヤられたんだ…何度も何度も…」
「それで…これ、か。」
膨らみを左右に広げると、その間から精液がぽたぽたと滴り落ち、床に液溜まりが出来た。
「いいよ…俺ので全部出させてやる!!」
「えっ?!」
秋の身体をうつ伏せにさせてその腰を掴むと、ジッパーを下げて俺自身に手を添え、秋の中に一気にねじ込んだ。
「くぅぅううぅっ…あああああああああ!!」
我慢しても突き動かされて揺さぶられる身体と同じリズムで悲鳴が溢れ出る。
「やぁああああああっ!!」
悲鳴と涙で歪む顔。
その顔が見たかったんだ。
秋を抱き抱えるようにして床に座り、その奥深くを俺ので突き上げると、声は大きくなり、絶頂が近付いているのがわかる。
「もうっ!っくぅ…イくぅううううっ!」
一際大きく身体をのけぞらせてビクンビクンと痙攣する秋を抱きとめ、その奥深くまで届くように腰をくっつけた。
ぐったりとした身体を俺に預けていた秋の荒い息が落ち着き、俺が戒めを解くと何も言わずに立ち上がりかけて少しバランスを崩した。
「危ないっ!」
壁に手をついてバランスを保った秋に差し出した手を叩き落とされた。
そのまま自分の身を整え、転がった荷物を拾い上げると、後ろを振り返る事なく扉の鍵を開けて、出て行った。
バタンと閉まる扉を見ながらも、俺は追いかける事さえできなかった。
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