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第32話
***
あれから3年、
俺と誠さんは俺が20歳になった誕生日に、優や佐倉、Rougeのキャストだけを呼んで、結婚式を挙げ、籍を入れた。
誠さんは現在、風俗だけじゃなく、金融や不動産、ホテル業など様々な事業に成功し、今まで以上の活躍をしている。
俺は大学を卒業して専業主夫として暮らしている。
今、俺のお腹には新しい生命が宿っている。
これから俺たちは、
3人で幸せな家庭を築いていくのだろう。
俺が幸せになれたのは、
俺を産んでくれた今は亡き両親、
高校から俺を支えてくれた親友の優、
こんな俺を愛してくれた誠さん、
そして、昔は憎くて仕方なかった、
この『Ω 』という性別なのかもしれない。
「大好きだよ、誠さん」
「あぁ。俺も愛してるよ、紫音」
新しい生命を慈しみながら、
永遠を誓い合って、どちらからともなく唇を合わせた。
-End-
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