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第11話 ※微R18

ある日のこと… 紅葉からの相談を受けて、 珊瑚はパートナーである翔に聞いてみた。 まどろっこしいのは嫌いなのでもちろん直球で。 「翔ー?」 「何ー? あれ? 俺のTシャツ見なかった? 黒くてバックプリントが天使の羽のやつ… あれ珊瑚のイメージで買ったお気に入りなのに!」 「…1つ下の棚。 今度からこっちに置くって言ってたじゃん。」 「…あった!さすが珊瑚! ありがとー! で、何の話だっけ?」 「あー、もし俺が一生SEXしたくないって言ったらどーする?」 あまりの衝撃的な内容に翔は大事な手にしていたシャツと分厚いドイツ語の辞書を足に落とした。 「痛ーーっ!」 痛みで飛び上がる翔。 「………大丈夫か?」 ものすごく痛そうだ。 珊瑚も顔をしかめた。 「な、な、なな何でっ?! どーしたの? どっか病気っ?! それとも俺…何か…やらかしました?」 オロオロしながら詰め寄ってくる翔をベッドに座らせる珊瑚。 一応足を見てやる。 「落ち着け。 例えばの話……。 SEXっていうか、Vanillaはありで、挿入なしでって言ったらさ、翔は耐えられる?」 「え……分からない。」 感動的な答えを期待していた訳ではないが、まさかの分からないという返答に力が抜ける珊瑚。 翔はしばらく考えていた。 「え、待って! これ…答え間違えたら一生SEX出来ないって問題じゃないよね?(苦笑)」 「別に違うけど…?」 何だそれと笑う珊瑚。 翔は少しホッとしたようだ。 「んと…ビックリしてなんて言えばいいか迷うところではあるけど。 でも…珊瑚がそれを望むなら俺は従うよ。」 「へぇー…。 挿入に拘りないの? ヤれないなら別れるってのはない?」 「えー! そりゃあ挿れたいよ? 挿れたいけど…! でも出来ないからって別れるのはないよ!絶対!」 「そう?」 「だって…結婚してるんだよ?俺たち。 人生共にするって誓ったよ。 あ、俺無宗教だけど…!」 でも約束したのだから当たり前だと告げる翔は続けた。 「例えば…事故や病気で身体が不自由になってSEX出来なくなる時がきたとしても、年をとって…その…出来なくなる時がきたとしても…、珊瑚と一緒にいるよ。」 「…そっか…。」 凪と紅葉に足りない要素が分かってしまった。 不覚にも翔に気付かされた。 けれど、日本にいる彼等ではどうにも出来ない。 自分は恵まれている…。 「うん。 え、合格ー? ご褒美あるっ?」 ベッドに座った翔は珊瑚を呼び寄せて立ったままの彼を抱き締める。 シャツの裾を捲って、綺麗な腹筋に口付ける翔を好きにさせている珊瑚…。 ふと、思い立ったことを口にした。 「翔ー…?」 「ん? 何かご要望? あ、挿入イヤならいいよ? 何しよっかー! 楽しむ方法は無限にあるよね!」 どこまでもポジションな翔に救われている。 「…結婚式挙げよっか?」 「っ! マジでーっ? もちろんいいよっ!! えー、何着る? 待って! タキシードの珊瑚とか想像だけでヤバい! リアル王子様だよね! すっごい楽しみ! え、珊瑚ー、写真撮りながら式って出れるの?」 「バカ…!(苦笑)」 くすくす笑う珊瑚に翔も微笑む。 「でもどーしたの?急に? 結婚式なんて…! 俺は嬉しいけど。」 「ん? なんか…幸せだなって。 だから…もし将来ボケた時でも思い出せるように記憶と写真に残そうって思った。 じいちゃんも最近ずっと結婚式の写真見てるじゃん? 翔が少しでも若いうちに撮らないと…!」 「そっか(笑) …それはいいね。」 2人は微笑みながら誓いのキスを交わした。 End

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