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開き直って学校の門をくぐったのは予鈴が鳴った直後だった。ポポルとは、とりあえず学校の門でお別れだ。
「いってらっしゃい」
小さな腕を振って、オレを見送ってくれる。
オレもポポルに小さく手を振って、駆け足で移動する。
「セーフ!!」
二階にあるオレのクラス、二年A組までの階段を一気に駆け上がり、滑り込むように席に着いた。
「また遅刻?」
そう言ってにっこり微笑むコイツはオレの前の席の、真城 周 。彼はこの学園のアイドル的な存在で、すっごく人気がある。
というのも、二年にして生徒会長に選ばれたっていうのと、外国人さながらの容姿。百八十はある高い身長に長い手足。茶色い癖毛なオレとは違って色素の薄い、肩までのサラサラな髪。王子っていう言葉がしっくりくる、すっげぇ美男子なんだ。
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