10 / 88

page10

 何やら意味深な言葉を告げると、指を回した。真城を漆黒の輪のようなもので囲み、その輪は収縮して、あっという間に真城を拘束した。  漆黒の輪に拘束された真城から、骨が砕かれるような音が聞こえる。 「くっそ、真城を離せっ!!」  ディガーは相当な魔力の使い手だ。いくら運動神経が良いからと言って、勝てる相手じゃない。  あの姿になるなんて恥ずかしい。  しかも、真城の――好きな人の前で魔女っ子になるんだ。気持ち悪がられるのは必至だ。  変身なんて死ぬほど嫌だけど、真城の命の方が大切だ。  背に腹は代えられないよな。  オレは勇気を振り絞り、懐からリップスッティックくらいのファンシーなステッキを取り出した。 「メタモルフォーゼ!」  変身の合図になる言葉を口にすると、無数に出現した光の粒がオレの身体を包み込み、薄桃色をしたロリータファッションの膝上ミニスカート姿を披露した。

ともだちにシェアしよう!