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んで、オレは魔女の手から真城を守るため、昨日から真城にべったりとくっついている。
――今は放課後。
オレンジ色のあたたかな夕日が教室内を包んでいる。
終礼を終えたオレと真城は最後の戸締まりをするために、帰宅したり部活をしたりと教室から出て行く生徒たちの姿を見送っていた。
「真城! あ、あの。これからゲーセン行かない? ってか、生徒会長が寄り道とかマズいよな。オレとは違ってそんな暇もないだろうし、ごめん。なんでもない」
「ゲームセンターに何かあるの? 言ってみて?」
こうやってオレを覗き込む真城。
オレのずっと近くに真城の顔がある。
真城は思わず見惚れてしまうくらい、すっげぇ綺麗だ。
こんなに近い距離で視線が重なると、思い出すのは、真城に初めて抱かれた日のことだ。
真城に抱かれた腕のぬくもりとか、オレを呼ぶ男の色香を纏った声とやその時の感触が身体に染みついて離れない。
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