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 ……なんて思っても、二人はオレそっちのけだし。  うう。前途多難だ。  授業中は大丈夫だけど、休憩中が問題なわけで、オレは二人を屋上に追いやって、周囲の目を潜り抜け、今日という日を放課後までなんとか迎えることができたオレだが、本番はこれからだ。  真城は、どうやってもオレとふたりきりにさせたくないのか、生徒会に顔を出したがらなかったけど、オレとしてはそっちの方が気が楽というか……。  ひとりでも多くの人間がいる場所の方が安全だ。  なんとか真城を教室から追い出し、生徒会に向かわせた。  そしてオレは、というと――案の定、黒江がまだ教室に残っていて、睨んでいる真っ最中だ。  黒江は魔女の使いだ。生徒会の仕事を終えた真城を狙う算段だろうが、そうはいかない! 「さて、邪魔者を隔離させようか。――とはいっても、魔力を持った奴は破れるんだけどね」

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