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第5話

「どうぞ。お通りを」  腰をかがめて兵士がエヴァリストを案内する。 「いつからここの担当?」  エヴァリストは気軽に問いかけた。  兵士は一瞬緊張した顔ですばやく左右を眼でうかがってから「半年前からであります」と答える。 「その前は? 下の歩哨?」 「いえ…」  そのとき上官らしい徽章を襟にとめた別の兵隊が宮殿の奥からつかつかと現われ、兵士はくっと唇を閉ざした。  数年ぶりに来訪した砦の兵士は見覚えのない顔ばかりだった。  ここの主は簡単に人間を使い捨てる。徴用された兵士もいれば志願して来た者もいるらしい。傭兵はひとりもいない。そして多かれ少なかれ砦の主に心酔している。  精霊魔術にかけられてもいないのに、全員、妙な薬物でも盛られているんじゃないか。  忠誠心というものに無縁なエヴァリストはほとんど本気でそう思っている。おかしなことに、ひとをひととも思わないのをどうにかしろとか、他人を操ろうとするなとか、元相棒によく面と向かって罵られていたにもかかわらず、エヴァリストはそれぞれの人間の独立性を疑ったことがない。だから強制されてもいないのに、自分の意思で誰かに忠誠をささげてしまう人々のことがいまひとつわからなかった。  おまけにこの砦の主はよい為政者とはいいがたい。海の向こうで平和とこじんまりした豊かさにまどろんでいる西方の小国を思い返すと対照的だった。抵抗組織が細々ながら金を掘り、武器を集めているのも聞いている。  蓋を閉じた鍋の底で不満や憤りが煮つめられ、蒸気圧が高まっていけば、その後いったい何が起きるだろう。群雄割拠で国境が安定しない大陸には、煮られた鍋のような領国に対し漁夫の利を狙う者だって現れる。  宮殿の入り口からは鮮やかな緑がのぞいていた。奥にひろい庭園があり、後宮へつながっているのだ。大陸全体からみれば箱庭のような領国にすぎないのに、こうして宮殿に庭園、後宮までそろえる支配者の想像力をエヴァリストは内心ひそかに嘲笑う。そして門を通り抜けざまに、自分が数年前に売りこみ、仕掛けた魔術回路が完全に作動しているのを感知した。  と、エヴァリストの上着の内側に潜んでいた精霊が一瞬の動作で庭園の中へ消える。どうやら庭園は精霊にとって安全らしい。砦の他の場所はそうでもないようだが。 「ずいぶんご無沙汰しておりました、閣下」  宮殿の内部はつる草模様の螺鈿や金箔で飾られた繊細な調度が置かれていた。趣味は悪くない。その中には以前エヴァリストが持ってきた贈り物も入っている。  エヴァリストは支配者の前でひざまずいた。  逆説的なことに、支配者たちの権威を完全に馬鹿にしているからこそ、エヴァリストは膝をついて彼らに取り入ることにためらいがなかった。ここがアーベルと根本的に違うところだ。アーベルは権力者におもねるのが大嫌いなのだ。  エヴァリストはちがう。ちょっとばかりおもねってやれば、相手がこちらの思うままに動くようになるのがむしろ面白いと思う。専門家としての自信をそれなりに誇示しながら、すりよったり、機嫌をとったりし、そのあとで突き放す。たちまち彼らはエヴァリストの手の上で踊りだすようになる。おまけに自分がそうふるまっていることに気づかない者が大半だった。  単独行動になってから、エヴァリストはこれを必要にかられてというより、単なる暇つぶしにしている気がする。アーベルと組んでいた間に稼ぎすぎて、金儲けそのものから興味がうすれてしまったためかもしれない。  さて、この将軍はどうだろうか。数年前とはうってかわって老けたな、とエヴァリストは思った。灰色の髪は変わらず眼光も鋭いままだが、相手から放散される魔力がめっきり弱くなっている。 「あいかわらず美しいな。男でなければ後宮に入れたものを」  と将軍がしわがれた声でいった。 「またお戯れを」と応じつつ、エヴァリストは今度は違和感をおぼえる。内容ではなく、声の調子に対してだ。体内に異常をもつ人間特有の声だった。  室内には数年前にはいなかった側近がいる。宮殿の中まではべっているとなると相当なお気に入りだろう。エヴァリストの視線に気がついた将軍が「はじめて会うか」とわざわざ声をかけてくる。 「ロビンソンだ。この美男子がエヴァリスト、この宮殿の、完璧な盾を作った男だ」  ロビンソンは切れ長の目でさぐるようにエヴァリストをみやって、あらたまって一礼したが、無言だった。エヴァリストと変わらないくらいの年齢だろう。どうみても軍人らしいしぐさと引き締まった体、堅く冷たい印象があり、なかなかのハンサムだ。エヴァリストの中にふといたずら心が持ち上がりかけるが、将軍のそばに立つこの男の挙動にちょっとした勘が働いた。  隙がないのはいいとして、なにかひっかかるものがある。感情の放射が過度に抑制されているのだ。エヴァリストの比ではないが、魔力量はやや多いかもしれない。 「本日お目もじ賜ったのは、宮殿の防御回路に問題がないかを再度確認したいと思いましたためで――」  ともあれ、エヴァリストは弁舌爽やかに適当な理由をでっちあげた。そうしながらこの宮殿の防御を破壊する武器がほしいという、例の男の契約書をもう一度脳裏に広げていた。  かすかにペテンの匂いがするのが気がかりだった。なのにその出所がはっきりしない。精霊魔術で原因をさぐろうにも焦点がさだまらず、どこにペテンの源があるのかがわからなかった。  それはつまり、この仕事が安全でないことを意味する。武装を強化したり壊すための魔術がもとより安全なはずもなかったが、単独行動になる前のエヴァリストなら受けなかったかもしれない。 「でも今は暇なんだよね」  案内兼見張り役の兵士を前後にしたがえて、エヴァリストはそっと胸の内でつぶやく。だからこそ砦まで足を運んだのだ。  他人を痛めつけるならともかく、自分が痛いのは大嫌いで死にたいなどと思ったこともない。なのに常にすれすれの場所にいたいという欲望はぬぐえなかった。  どこかで鐘が鳴る。  宮殿の内部で人々が動き出す。エヴァリストが案内の兵士を従えて宮殿の城壁をみまわるうち、謁見の時間が来たらしい。  将軍は大きな昇降装置に乗ったようだ。この装置は回路魔術でも蒸気でもなく、人力で動いているとんでもないしろものである。宮殿の底がぎいっとかしぐように唸り、地上からは群衆が騒ぐ声が怒涛のように鳴りわたる。将軍の名を叫んでいるのだ。  一方庭園の向こう側に入口をひらく後宮からは何の物音もしなかった。鳥がさえずる声しかきこえない。奥からかすかにいくつかの感情が漂うのをエヴァリストは魔力の網をつくって捕らえ<聴いた>。あきらめと退屈、ゆるい満足や自足、そして絶望。  後宮の入り口には護衛が立っているものの、表情は弛緩していた。暇なのだろう。  後宮の内部は宮殿とおなじくらい贅をつくしているはずだ。しかしたとえどんな贅沢ができようと、あるいは将軍に心酔していようと、閉じこめられてすごす一生をエヴァリストは想像できなかった。他人のカリスマ性を理解できたためしもないのだから、自分を閉じこめるなら無理やりということになるだろうな、と思う。  万が一そんなことになったらどうするだろうか。  そんなことを考えながら、エヴァリストは下界の喧騒を無視して、今度は城壁の隅の角塔へ登ることにした。案内役の兵士が不安げにみつめてくるので、心でそっと接触して安心を与えてやる。 「いい子だからじっとしてて」  じつをいうと角塔は宮殿の回路の「(かなめ)」のひとつだった。しかしてっぺんではなく根本の部分である。上に登ったのはただの趣味だ。高いところが好きなのだ。 『おいで』  まだ名前をつけていないが、連れ歩くうちに繋がりが強くなった精霊を心で呼ぶと、たちどころに庭園の梢から駆けあがって肩の上におさまった。エヴァリストは回路と回路のあいだに張り巡らされた<力のみち>をききとろうと集中する。(かなめ)は宮殿の下部にもう四カ所埋めこんであり、<力のみち>の四角錐を構成して、外部から飛来する力や、破壊意思の持ち主を拒む、力の防御幕をつくるのだ。  回路魔術の始祖の直系――アーベルの祖父だったか――が考えた、火薬や銃弾をことごとく無効にする装置ほどではないが、かなりのものだと我ながら思う。もちろん防御はそれだけではなく、べつの罠もある。  とはいえ、せっかくの機会だ。最強の盾を突破する最強の銃をつくる前に、盾を少し弱体化する、そんなペテンをやるのはどうだろうか。と、一応自分自身に問いかけながら、エヴァリストは思わずにやりと笑った。  その誘惑は否定しないが、回路の組み替えや交換が簡単にできるのなら、そもそも防御魔術など効きはしない。なによりもそんなことをしたら―― 「面白さが減ってしまうよね」  ひっそりつぶやくと精霊が尻尾を首に巻きつけながら「キュウ」と鳴いた。  その直後だった。  下で異変が起きた。  どよめきと混乱した感情が押し寄せてエヴァリストは眉をよせる。庭園に靴音が響き「狙撃だ! 配置につけ!」という声と共に案内役の兵士がせきたてられていく。 「僕は忘れられたみたいだな」  しばし待ち、自分に誰も近寄ってこないのを確認してエヴァリストはつぶやいた。宮殿から段丘を下りる一番早い通路は例の人力昇降機だ。忘れられたらそれはそれで面倒くさい。  一番てっぺんにいるエヴァリストからは、下界でどよめく民衆も宮殿を走る兵士もおもちゃのように小さくみえる。群衆を蹴散らして部隊が集結しているようだが、遠くから軍隊が迫るわけでもない。そういえば兵士は狙撃といっていた。 「まさかね」  つい先日、砦に近寄るなと忠告した男の顔を思い出す。  と、段丘の端に人影がみえた。  湾曲して飛び出たような地形の壁にとりついて、ここからはほとんどねずみか虫のように思えるが、移動している兵士がいる。一瞬でどこかの裂け目に入りこみ、みえなくなった。  ジラールはふたたび段丘の内部を移動している。狙撃者がいたとバレた以上、まずは身を隠して次の機会を狙うだけだ。エヴァリストが作った回路魔術には関わりたくなかった。宮殿に侵入するのは次善策だったが、しかたがない。  小銃は捨て、いったん予備の拳銃を取りにまた段丘の裂け目を下りる。それから身につけた歩哨のかぶとや装備を確認し、何食わぬ顔で正面に集合した他の兵士たちに混ざった。  隊列を組んだ兵士たちに狙撃兵の捜索のため騎馬部隊が出されたと連絡があり、歩哨も臨時の哨戒に入れと上官が命令した。ジラールはどさくさにまぎれて昇降機へつながる通路を探す。  と、いきなり背中をどやされた。 「おまえどこにいたんだ? でかい図体のくせに消えるなよ」と誰かが笑う。ジラールはぼそっと「哨戒命令だ」と返し、そのまま通路を進んだ。  狙撃者がみつからないまま警備は強化され、哨戒班は再編成されたが、すでにジラールは段丘の中にいる。宮殿へ上がるには、前回のように壁に取りつく代わり、別の意味で面倒な道をたどらなければならない。  宮殿へ直結する中央の昇降機に乗ることはできなかった。またも次善策で、哨戒中の歩哨のふりをしてアリ塚の内部のような通路をたどる。警備班が増やされたのは幸いだった。  ジラールは用心深く歩きながら的を外した原因を考えた。めったにない――ありえない失敗だった。将軍の隣にいた、予想外の横顔に気をとられたのだ。  きっと他人の空似だろう。――名前はなんだったか。  すぐに思い出せなかった。ロリマー、だ。自分と同じようにあの人に庇護された子供だった。行方がわからなくなったのは二十歳くらいのころか。十数年もたてば顔など変わるものだ。  宮殿へ向かう通路はだんだん狭く、だんだん急になる。しかし通れないほどでもない。これは人のための通路ではないのかもしれない。空気採取用、非常用。捜索用にしつけられた精霊。犬。  あるいは罠。  とたんに頭上がひらけた。ジラールは降ってきたものを避けて体をふせる。腕にからみついてきたものをすかさず抜いた短剣で切り落とすが、急激な倦怠感に襲われる。みえない細かい網に全身を捕らえられたかのようだった。同時に視界がぶれて周囲がくるくるまわる。ジラールの足の感覚は確実に床を踏んでいるが、力を搾りとられていく。  これはなんだ。  そんな内心のつぶやきを最後に、ジラールはその場に崩れおちた。 「あんたが作った罠にネズミがかかった」 「どこの?」  はじめて聞くロビンソンの声はかすれていた。何度か喉をつぶしているらしい。よくみるとひたいや頬に光る傷跡が何本も走っている。右頬に傷跡を持つ男をエヴァリストは思いうかべた。  こいつ、まったく似ていないのに、同じ匂いがする。 「西側の〈黄土〉だ」とロビンソンは答えた。  〈黄土〉は宮殿の真下に設置した(かなめ)の真下にある罠だ。他にも〈白水〉〈碧緑〉〈赤気〉と名付けられた罠がある。ロビンソンはさらに満足そうに眼を細めた。 「あんたの装置はほんとにすごい。魔力の蟻地獄とはあのことだ。侵入者を捕まえるのは〈黄土〉だけで五度目かそこらだ」 「捕まえたらどうするんだい?」エヴァリストは気軽にたずねた。 「足を縛って岩壁に吊るす。どんな人間も魔力切れで放置すれば終わりだからな。もう部下がやってるだろう。死体を片づけるのも手間だから三日くらい経って綱を切るだけだ。あとは獣が始末してくれる」 「尋問しないのか? 今日の騒動の下手人かもしれないだろう?」 「報告はしたが閣下にその気がない。閣下にしてみれば、あんたの魔術で完璧に守られているならそれでいいんだ。自分の宮殿と、後宮がな」  エヴァリストはロビンソンの馬鹿にしたような口ぶりが意外だった。あきらかに他の側近を差し置いて目をかけられているようなのだが。いやむしろ逆に、そのせいで信頼をおかれているのか。将軍は早々に宮殿にこもってしまい、あとは任せたといわんばかりのようだ。 「だいたい謁見場所を狙撃して成功する人間なんているものか。数を集めれば別だがな。最近の拳銃はともかく、小銃はいつまでも的中率があがらないから、散弾の方がましなくらいさ。おまけによく詰まる」 「銃に詳しいね」  エヴァリストがにこりと笑うと「兵士なんだ。当たり前だろう」とロビンソンは真顔で返す。  冗談の通じそうにない相手だな、とエヴァリストは思った。精霊はずっと怯えていて、小さくなってエヴァリストの懐にもぐりこんでいる。 「僕はそろそろ失礼したい。ああ――そうだな、その前にせっかくだから、その捕まえたネズミを見に行ってもいいかな?」 「こいつでかすぎる……」 「足環を嵌めてしまえばいいだけだ。いくぞ」  ふいに体を空中に放り出され、ジラールは意識を取りもどした。風が顔のまわりでブン、と鳴る。まぶたをあけるのすらおっくうだった。途方もない倦怠感に襲われている。  ゆっくりと片眼だけあけてみた。  何もみえない。  と、どこか遠くで光がぐるぐる回った。  だるいのをこらえながら一度眼を閉じ、ついで両眼を開いてみる。今度はさっきとはちがう光がみえた。鎌よりも細い月だ。  ということはまだ夕暮れ時のはずなのだが、この暗さはなんだろう。何もかもが薄暗く、灰と黒の紗をかぶせたようにみえる。あの通路で罠にかかったと認識したまでは覚えているが、実体のあるものに襲われたというより、みえないものに生気を吸いとられた気がしていた。  今は両足と後ろ手を縛られ、頭を下に吊るされている。この倦怠感さえなければ、体をひねったり、何かできそうなものだが、だるくて到底無理だと感じる。このまま眼を閉じ、眠ってしまった方がよさそうだ。眠れば少しは体力が戻ってくるかもしれない―― 「残念ながらそうはならない」  聞きおぼえのある声だった。 「回路魔術の罠袋にひっかかると眠っても回復できない。まったく、おまえにここで会うなんて思わなかったよ」  ジラールは気力をふりしぼってうっすらと眼をあけたが、視界はさっきよりぼんやりして、声がどこから聞こえてくるのかもわからなかった。 「エヴァ…リスト?」  やっとそれだけつぶやく。  と、いきなり体にふわりとした何かが触れた。羽根のような、毛のような感触だった。体をネズミのようなものが這いまわっているのだ。 「ネズミじゃないよ。僕の精霊さ」  また声が聞こえる。その動きまわるむくむくした毛皮は、ジラールの後ろ手の鎖をつつき、引っ張った。ガリガリと金属が手首をこする。ついでカチャンと軽い音が響き、手首のいましめが解けた。 「よくやった。一回戻っておいで」  肌に触れていた毛の感触が消え去る。ほっとしてジラールは手を曲げ伸ばししようと試みたが、泥のような倦怠感はあいかわらずで、自由になったはずの手首も動かす気になれない。顔のまわりで風がひゅうひゅう鳴っている。このまま眼を閉じてしまえばいいのだという気がしてくる。何しろ、だるい。 「あいにくだけどそれ、困るんだよ」  すぐ近くでため息がきこえたと思ったが、風の音だったかもしれない。ついでいましめごと両足を引っ張られた。体が空を切ってさかさまに跳んでいるのだ。  黒い恐怖がジラールを襲ったが一瞬のことだった。  どさっと固い地面に投げ出される。すぐさま毛の塊が足首に触れ、またガリガリと金属がこすれる音がした。 「いい子だなあ。おまえに名前をあげないとね」  ジラールはうっすらと眼をあけた。そこにいるのがエヴァリストなのはわかったが、視界はあいかわらず暗かった。この男は輝くような金髪の持ち主ではなかったか? いまはひどくくすんだ色に見える。  エヴァリストは手のひらにおさまるくらいの丸い金属をジラールの首筋に押しつけていた。ひんやりとして気持ちがいい。真上に黒い闇がある、とジラールはぼんやりと思った。いろいろなものがあいまいになりつつある。  だしぬけにエヴァリストがジラールの両肩をつかみ、全身に飛び上がるほどの激痛が走った。 「痛っ―――」 「痛い? それなら間に合うな」  耳元で声がささやく。「じゃあ、行こうか」 「どこに」とジラールはぼんやり返す。  またもため息と、あきれたようなささやきが落ちてきた。 「おまえの家だよ、ジラール。おい、立てよ」  ジラールはモゴモゴと口を動かす。 「だるい。このまま寝かせてくれ……」  声の響きは冷たかった。 「痛かったのなら立てる。立つんだ」

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