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第3話
5年後。
僕はもうすぐ18歳になる。
創士様に引き取られてから、僕はお金で抱かれる事は無くなった。
今、僕は何処にでもいる普通の高校生として過ごしている。
僕の心と体は、5年間で大きく育った。
「柊、受験勉強はどうだ?」
「はい。T大、A判定頂きました」
「そうか……気を抜かずに頑張るんだぞ」
「はい」
創士様とは、父子として過ごしている。
だが、僕の中には父を想うものとは違う別の感情が芽生えて始めていた。
それがなんなのかはまだはっきりわからないけど、創士様のことを想うと胸の真ん中が温かくなる。
それだけで幸せに感じる。
「柊、受験が終わったら……」
「はい」
「いや、……受験まであと少しだ。頑張りなさい」
「はい」
創士様は優しく微笑んだ。
❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎
「柊、T大合格おめでとう」
「ありがとうございます。創士様のおかけです」
大学の合格祝いに、創士様がささやかなパーティーを開いてくれた。
パーティーの料理よりも創士様の「おめでとう」が一番嬉しくて、胸がいっぱいになった。
「それでな、柊……」
「はい」
「大学の近くに部屋を借りた。春からそこから大学に通いなさい」
「は……い?」
創士様の言葉の意味がわからない。
唇が小刻みに震える僕を、創士様は真っ直ぐ見つめて言った。
「柊、この家を出るんだ」
その言葉に、頭の中が真っ白になった。
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