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第2話

「名前は?」 義父が連れてきたお客様が僕に尋ねた。 「(ヒイラギ)」 「柊か。いい名前だな。俺は創士だ」 「お客様はそうし様?」 創士様はお尻を突き出す僕には触れずに、正面に回って僕の顔を見た。 「ああ、そうだ。漢字は後で教える」 創士様はとても上等なジャケットを僕の肩に掛けてくれた。 「おい。いくらだ?」 「えっ?」 「この子を買う。いくらだ?」 突然の言葉に義父が焦った。 「あの、柊は大事な商品です。買い取るのであれば1億円は頂かないと……」 「わかった。30分で用意する。柊、服を着るんだ」 創士様がどこかに電話している間に、僕は制服に着替えた。 家ではずっと裸で過ごしていたから服はこれか体操着しかない。 創士様は驚いた顔をしたけど、すぐ微笑んで僕の頭を撫でてくれた。 30分後、アパートに1億円が入ったバッグと3枚の書類を持った人が現れた。 創士様の名前、義父の名前、僕の名前をそれぞれの紙に3回書いた。 その紙切れとともに、僕は義父に捨てられた。 人生3度目の。 そして、僕は創士様に引き取られた。

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