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第5話

屋敷での最後の日。 荷造りを終えた僕は、創士様の寝室に向かった。 最後に。 最後だから。 ❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎ 「創士様、お願いがあります」 「何だい?」 「創士様、僕を抱いてください」 「何……を言ってるんだ、柊?」 「創士様は僕を買われたのに、一度も抱いてくれませんでした」 「それは……」 パジャマの上にガウンを羽織った創士様は、デスクチェアに座った状態でとても困った顔をしているけど、僕は構わなかった。 「僕は明日この家を出ます。だから、最後に一度だけ……僕を抱いて欲しいのです」 「柊」 「ダメ、ですか…?」 初めて見る隠し切れないほど動揺している創士様に僕は近寄り唇にキスをする。 それは、誰ともしたことのない、生まれて初めてのキスだった。 更に、額に、目蓋に、頬に、耳にとキスを落とす。 首筋に移動し、「ジュッ」と強く吸い付いて痕を残す。 お客様を相手にしていた時にキスマークを付けられたことはあったけど、自分から付けるのは初めてだった。 その痕が少しでも長く残る様に、もう一度強く吸い付く。 「柊」 名を呼ばれ顔を上げると、創士様は熱を孕んだ瞳で僕を見つめていた。 そのまま身体を抱き上げられ、乱暴にベッドへ落とされる。 僕に覆い被さった創士様は僕の唇に噛み付いて、息もできないほど深く長い口付けをした。 創士様の舌は僕の口腔内を縦横無尽に動き、僕の舌を絡みとった。 創士様のキスは食べられてしまうかと思うほど激しくて、息継ぎがうまくできず苦しかったけど、僕の身体はそれだけで歓喜した。 長い長い口付けが終わる頃には、僕の着ていたパジャマは全て取り去られていた。 「そ、創士様……僕の準備はできてます。だから……」 早く貴方のモノで僕を貫いてーー。 「ダメだよ、柊。こんなんじゃ、俺を受け入れられない」 「ひあぁぁっ」 創士様は僕の胸の尖を歯みながら、後孔に指を差し込んだ。 予めローションで濡らしたそこは、クチュリと音を立てて創士様の指を2本飲み込んだ。 創士様の長い指はあっという間に僕の気持ちいいところを見つけた。 「ここか、柊?」 「あっ、あっ、そこ……ダメぇ……ひゃあぁぁぁっっ!」 いつの間にか3本に増えた創士様の指は、僕の中でパラパラと動いて入り口と中を解していった。 「柊……」 「そ、うし様。僕、もう……」 「ああ、挿れるよ」 「ぁ……」 前を寛げた創士様の中心は、過去に受け入れてきたどのモノより太く長かった。 それが僕の入口に触れただけで、体が仰反るほど跳ねた。 グググっと押し入ってきた創士様に入口は既にキツく、中に進むと息が出来ないほど苦しくなった。 「ぁ……ぁ……うあぁ……」 「柊、ゆっくり深呼吸して……吸って……吐いて……そう、上手だよ」 ズンッ 「かはっ……」 息を吐いたタイミングで一気に貫かれた僕は、また呼吸ができなくなった。 5年ぶりに受け入れた僕の後ろに対して、創士様のモノは大きすぎた。 「柊、少しの間このままでいるからちゃんと呼吸しよう」 創士様は僕の頭を優しく撫でてくれ、何度もキスをしてくれた。 僕の中で存在感を増すモノと、目の前で与えられる優しさに、涙を流しながら創士様を見つめた。 その顔を、その表情を焼き付ける様に。 「そうし、さま……」 「ああ、もう限界だ。動くよ、柊」 「はい……来てください。創士様っ」 創士様は何度も打ちつけた。 角度を変え、体位を替え、何度も何度も……。 創士様は何度も何度も僕の中に注ぎ込んだ。 僕は声が枯れるほど快感に酔いしれ、そのまま意識を失った。 そして、意識を失ってもその快感は続いた。

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