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第6話

目覚めると、まだ朝が訪れてはなく部屋の中は暗かった。 僕のお腹には逞しい創士様の腕が回っていた。 その腕からそっと抜け出して、創士様の寝顔を覗き込む。 引き取られて初めて見る寝顔だった。 創士様は前を寛げたが、最後まで服は脱いでくれることはなかった。 それはすごく悲しかったけど、それで良かったのかもしれない。 創士様の温もりを知らないままの方がいい。 僕はベッドから降り、床に落ちた下着とパジャマを拾って着る。 振り返って、深い眠りから目覚めない創士様の唇にキスをする。 「さようなら、創士様」 僕は部屋に戻り服に着替えると、少しの荷物と少しのお金を持って家を出た。

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