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第2話
海の底の城では宴が開かれていた。
誰かの誕生日だとか。マーメイには詳しい事は解らない。近付いてきた本日の主役らしい人魚に祝福を送る。
人魚は喜んでくれた。
それから一緒にダンスを踊り、他の人と世間話等をしてから自分の寝室に戻る。
退屈だ。
歌を歌ってみたりしても、本を読んでも退屈だ。
「退屈〜」
と、声に出しても退屈は退屈であった。
久しぶりにコッソリ街に遊びに行こうかなぁ
マーメイはそんな事を考え、そっと城を抜け出した。
みんな陽気な様子だから気付かれる事は無いだろう。
ふと、水面の方を見上げる。上は荒れている様子だ。
その時だった。
何か見えた気がした。
ゆっくりと沈んでくる何か。よく見ると人の様だ。
マーメイは慌てて側に行き抱き上げる。
やはり人だ。荒れ狂う海に投げ出されてしまったのだろう。
既に意識は無さそうだ。
マーメイドは城に連れて行くと空気のバリアを作り、その中に落ちてきた人を寝かせる。
少し苦しいが……
マーメイは白亜に人工呼吸を施した。
何とかと息を吹きかえして欲しい。
「ゲホゲホ!! オエッ!」
咳き込む白亜は水を吐き出し、呼吸を始めた。マーメイはホッと胸を撫で下ろす。
まだ意識は戻らない様子だ。
マーメイは空気のバリアの中から出る。
こっちが死にかけたが、彼が助かっで良かった。
それにしても……
「凄く綺麗な人……」
キラキラと輝く白、色素の薄い肌。長いまつ毛。
きっと目覚めた瞳の色も綺麗なのだろう。
こんな綺麗な人は初めてみた。
マーメイはじーっと白亜を観察する。
この人は何で海に落ちたのだろう。身投げじゃないよね?
事故?
服装からして身分の高さが伺える。
きっと必死で彼を探している事だろう。
彼の意識が戻り、海の荒れが治まったら地上に運んであげよう。
それまでは私のベットでお休み。
マーメイはラララ〜と陽気に歌いながら白亜を見つめる。
早く目覚めて綺麗な瞳を見せて欲しいな。
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