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第12話

 白亜を島に置いて帰って来たマーメイは、仕事に集中する。  最近、白亜のお世話で少しおざなりになっていたので、家臣達に怒られていた所である。  今は白亜を考えずに仕事が出来るから捗る。と、思ったのだが……  ハク、一人大丈夫かな。寂しく無いかな。今、何してるんだろう。  そんな事ばかり考え、定期的に部屋の寂しくなってしまった空気の部屋を見つめてしまう。  ずっとあそこに囚えておくのは、まるで籠の鳥の様で可哀相であった。鳥はやはり空を飛んでいてこそ綺麗なのだ。  でも、自分の手元に居ないと心配だし、寂しいという矛盾である。  逆にいつもより仕事が手につかないマーメだ。  だが、やはりこの所、白の国付近の海域が人間によって汚染されている様なのだ。  何か手を打たないと。  あそこの王は海を大事にしていたし、浜辺も常に綺麗に保たれていた。  白の国付近の海は豊かで、魚も沢山取れる、サンゴも群生している。  白の国の名産となっているだろう。  だからそれなりに取ってはいたが、取るだけで止めずちゃんとアフターケアーしてくれていた。  無闇矢鱈に取りすぎる事もなく、セーブしてくれていたのだが……  このまま乱獲を続けられたらサンゴも絶滅してしまうし、それに伴い固有の魚も居なくなってしまう危機を感じる。  海の資源に目を向けているのか、海底の掘削等も初め、目に余るのだ。  何か制裁を与えるべきかもしれない。  マーメイはそう考え、家臣達に相談していた。  海を荒れさせ、暫く海に出られないようにする。という意見が多く、マーメイもそれを行う事に決めた。  海を荒らせば海を怒らせると人間に思い出させる為には必要な事だ。  気付いてくれたら良いのだが、これで留まらない様ならまた考えるしかない。  大波を起こして白の国を壊滅させる事までしたくは無かった。

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