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第24話
朽葉と食事を済ませた白亜は朽葉に手伝ってもらい、皿洗いも済ませ、彼の事を聞くことにした。
「両親は白の国に居るんだよね。心配しているだろうなぁ。お手紙を書く?」
『両親は事故で…… 僕は孤児なので生贄に選ばれました。βで容姿も良くないので煙たがられたみたいで……』
「そうなんだ。事故で…… でも朽葉は素敵な容姿だよ。煙たがられたる事なんて無いはずだけどな」
『白の国では髪は白に近いほど美しいとされていますからね。僕の髪色は汚いドブ色だって言われます。瞳の色だってまるでその変に落ちている小石だって』
「なんだって! 誰がそんな事を言うんだい!? 僕が打ん殴ってやる!」
『皆です……』
しょぼーんと落ち込んだ顔を見せる朽葉。
容姿でそんなに差別的な扱いをされるとは、白亜は知らなかった。
僕は国民の事を何も知らなかったのだと、自分を恥じてしまう。
確かに髪は白く、瞳がアクアブルーな程良いとされ、白の王国では基本的には淡い色の髪色が良くある色で、瞳の色も宝石の様に美しくいと言われるが、朽葉の様な深みある色あいだって僕が見たら優雅で綺麗だと思う。秋の落ち葉の様な趣の有る色だ。灰色の瞳だって小石なんかじゃない。綺麗な瞳だ。
「僕はとても素敵な色だと思うよ」
『有難うございます』
元気づけようと、抱き寄せる。
苦笑して見せる朽葉は(お世辞でも嬉しいです)と、言いたげな顔だ。
本当に素敵だと思って言っているのだが、どうしても白の国では完璧とされる容姿の白亜が言っても説得力が無いのだろう。
白亜も何だか悲しくなってきた。
『僕、βだし、孤児だし、だから生贄にされても良いかなって。天国のパパとママの所に行けたら良いなって思ったんですけど、白亜様が助けてくれたので、僕、嬉しいです』
朽葉は何と書いて伝えようか迷い迷い書いて見せる。
こんな小さいまだ子供なのに、なんて健気な子なんだ。
何が何でも幸せにしてあげたい。
それが僕の使命なのかも知れない。
白亜はそんな事を考えた。
コンコン、コンコン
ドアをノックされる音が聞こえた。
こんな所に来るのも来れるのもあの胸くそ悪い男だけだと一気に思うと気が重くなるが、ちょうど住人が増えた子供用の服とか絵本とか調達して貰わなければ。
他に何かいる物も有るかもな。
白亜はそんな事を考えながら、 フードを被って顔を隠しながらドアを開けるのだった。
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