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第4話*
「ちょ、ちょっと拓也くん……?」
「ごめん、俺もう我慢できない。結婚するまでは手出さないでおこうって思ってたけど、もう限界だ」
「えっ……!?」
「ちょっとフライングするけど……ここまで頑張って来たんだし、許してくれよな?」
「あ……っ!」
ワイシャツを背中のところまで剥かれて、次いでスラックスのベルトを外され、するりと足元まで下ろされてしまう。
(ど、どうしよう……こんな調子じゃ断れない……)
拓也は、千尋がプロポーズを受け入れてくれると信じ切っている。断られる可能性なんて微塵も考えていない。それはそうだろう。「法律を変えられたら結婚してやる」と言ったのは千尋なのだから。拓也はその言葉を愚直なまでに信じ、そのために議員になって、ここまで努力してきたのだから。
そんな人に、今更「ごめんなさい」なんて言えない……。
「っ……!」
ついに下着まで取り払われてしまい、千尋はふるりと肩を震わせた。首を捻って拓也を見上げる。
「た、拓也くん、ちょっと待って……!」
「え、なんで? お前、俺のこと待っててくれたんだろ? だから一度も彼女作らなかったんじゃねーの?」
「あ……いや、それは……」
「もう心の準備はできてるよな? 十四年もあったんだし」
「う……」
「俺、早く千尋とひとつになりたいんだ。こういうのって本当はちゃんと手順を踏むべきだと思うけど、お互い合意の上だし……いいよな?」
そう言って拓也は、千尋の股間を強めに握り込んできた。
そのまま上下に手を動かされ、柔らかかった陰部を無理矢理勃起させられてしまう。
「っ、あ……あっ」
ここ最近性的なことから遠ざかっていたせいか、思ったよりずっと反応が早かった。ちょっと扱かれただけであっという間に硬くなり、とろりとした淫液を先端から漏らしてしまう。
「よかった、ちゃんと反応してる。千尋も待ちきれなかったんだな。嬉しいよ」
「え……?」
「俺、マジ幸せ」
「う……」
……なんだか、ますます誤解が深まってしまっている。
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