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【第3話】幼なじみプレイ
バカとハサミは使いよう
世間一般的に恋は盲目とよく言うが、どうやらそれは本当らしい。
「なあ、泉。俺と一緒の時以外は女装禁止な。俺がいなきゃ何が起こるかわかったもんじゃない。こんなに可愛いんだから」
「…………」
携帯電話の画面を見ながら、壱人はそんな馬鹿なことを真顔で言ってくる。画面には花火大会の時の浴衣姿の俺の写真。壱人はそれを待受画面に設定している。
「ばーか。そんなことあるわけ……「ありありだっつの!」
壱人に言葉を途中で奪われる。それも強引なキスで。両思いになるまで知らなかった。実はとんでもないエロエロ星人で、キス魔な壱人。俺と両思いになって色ぼけした壱人。
「実物もこんなに可愛いんだから」
どうやら一般的な審美眼も無くしてしまったらしい。どこをどう見たらそう見えるのか、どうやら壱人の目には俺が可愛く映るらしい。
ってかさ。俺ってばとにかく平均的な日本人顔で、典型的な平凡キャラなんだけど。実は隠れ美形で伊達眼鏡を掛けてます的な特殊な設定もなく、俺の視力は両目ともにA判定だし。
問題の待ち受けは化粧と可愛い浴衣でごまかしてはいるけど、生まれ持ったものはそうそう変えられるものじゃない。確かに平均的な女顔の俺が化粧して女装したその姿は、可愛く見えなくもないかも知れないけど。けどさ。所詮は俺だし。
「……んっ、ばっ。ちょっと待……「待てない」
つか、息苦しいっつの!
全力で盛ってくる壱人の胸を両手でポカポカ叩く。壱人はそれくらいでやめてくれるやつであるわけもなく、俺はあっさりとベッドに引き倒されてしまった。
「ちょ、待てって。この話は一応、※15禁で高校生も読めるんだから……」
「はあ? なに訳わかんないこと言ってんの。……ってか、今日日 の高校生はみんなやってるって」
待て待て待て!
確かに大人が思ってるよりも進んでるかも知れないけど、これ以上やると18禁な年齢制限が必要になる。出来るだけみんなに読んでもらいたいし、ここではそんな場面をお見せするわけにはいかない。
※注釈
このお話を連載していた運営サイトが義務教育を終えていない15歳未満の方の入場を制限していたため、15禁と表現しております
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