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幼なじみプレイ 「正直、王道転入生はうざがられる存在だったりもするけど……」  ここまで来ると不思議なもので、噂がどうとかはもう気にならなくなって来た。壱人の彼女がどうとかの噂とか、そんなの真相を知ってる俺には関係ないし。 「俺は別に気にならないかな。ストーリーを面白くするスパイスだと思えば」 「私もー」  もちろんこれらの会話はひそひそ話ね。彼氏の元カノの結木さんとも仲良くやってるし、もうなんか噂がどうしたって感じだ。俺は表向きには壱人の幼なじみだし、俺たちが恋人同士だってことは自分たちがちゃんと自覚していればそれでいい。  それから再び壱人と合流して、今度は気を利かせてくれた結木さんが先に帰り、俺たちはちょっとしたデートを楽しんだ。まあ、デートといってもそこら辺をちょっとぶらぶらしただけで、ソッコー家に帰って壱人といちゃいちゃしたけどね。  結木さんによるメイクの個人授業は、今も続いている俺のメイクの腕も少しはマシになったかな。少なくともオカマな男子高生には見えないくらいに。 「壱人、おはよ」 「おお」  それから、俺と壱人の幼なじみプレイも同じように続いている。毎朝一緒に登校するけど、学校では相変わらず顔を合わせることはない。10年も壱人の幼なじみを続けて来たんだ。単なる幼なじみのふりだってお手のもの。  ただ、一つだけ困ったことがあるんだよね。 「……ちょ、おい。こら、壱人!」 「大丈夫。いま授業中だし、誰も来ないよ」  意外にも穴場なんだとわかった屋上で、たまに壱人が暴走するようになってしまった。それでも。照れ臭いけど、それなりに幸せだったりする今日この頃。 第三話 2011/01/10/完結

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