1 / 7
第1話 プロローグ
)数年前…
「なんで…なんでだよ!翡翠!」
「ゆう兄には、関係ないだろ。ほっといてよ」
警察に捕捉された彼を侑は必死に解いたてる。
何故あの優しかった翡翠が?
何故あんなにも人を助け周りからも頼りにされていた翡翠が?
そんなことばかり考えてしまう。
今目の前にいる男はそもそも俺が知っている翡翠なのか…
最早それすらもわからない。
「絶対っ…ぜったい…罪を償って戻ってこいよ!ずっと待ってるから」
翡翠は侑に背を向け立ち去る。
侑が発した言葉が彼に伝わったのかも
わからない。
その時見えたのは彼の哀しみに満ちた
寂しい背中だけを今でも覚えている。
車の閉まる音、パトカーのサイレン
その2つが侑の前から聞こえなくなるまで
侑は彼がさった後をずっと見つめていた。
ともだちにシェアしよう!