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第2話

夜が明け寝惚け眼を擦りながらカーテンを開けると、外は雪で真っ白になっていた。 今日はこれから、一緒に初詣に行く約束をしている。 「雪降ったみたいですね。」 「本当だ。また降ってくる前に出掛けようか。」 手短に支度を済ませてソファーで要さんを待っていると、再び睡魔に襲われ欠伸が溢れる。 「まだ眠そうだね。」とクスクス笑いながら戻ってきて、ちょこんと俺の頭に顎を乗せた。 「終わりましたか?」 「うん、終わったよー。」 「要さん細いんだから、ちゃんと厚着して下さいね。」 「ふふ、龍は心配症だなぁ。」 要さんのことになるとつい心配症になってしまうのは、どうしようもなく好きだからだ。 「そろそろ行こっか。」と差し出された手を取って立ち上がる。 先に靴を履き終えた俺は、要さんが履き終えるのを待ってドアを開けた。 「..うう、寒い。」 「わー、寒いね。」 少しでも寒さを和らげる為マフラーで口元を覆い、当たり前のように手を繋いで神社を目指す。 それがなんだか嬉しくて、自然と頬が緩む。 「ご機嫌だねー?」と顔を覗き込まれ、恥ずかしさに目線を逸らした。 「..そんなに顔近付けたら、キスしますよ。」 「な..っ何を言ってるの!」 「冗談です。」 「わ、龍が意地悪だー。」 口を尖らせる要さんの頬を突くと、へらりと笑って摩り寄ってくる。 裏のないその表情や仕草は、女性よりも女性らしい。 「お参りしたら、おみくじ引いて、屋台で何か買ってから帰ろうか。」 「はい、そうしましょう。」 参拝の列に加わって、何を買って帰ろうか相談しながら順番を待っていると、思ったより早く自分たちの番になり、丁寧にお参りを済ませる。 行きましょう?と声を掛けると、要さんは頷いて微笑んだ。 神社を出る前におみくじを買って、歩きながら紙を開いてみる。 「どうでしたか?」 「大吉!」 「俺も大吉でした。」 「良いことあると良いねー。」 きっとありますよ。と笑うと、要さんは満足そうに俺の手を握った。 「あ、あれ買って帰ろうよ!」と屋台を指差す姿を見ながら、溢れんばかりの幸福感を噛み締め る。 そして、来年も再来年もずっとこうして二人で笑い合えますように、とただ願う。

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