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第2話
手を繋いで歩くことに未だ慣れず、なんとなくいつも照れてしまう。
俯いて仄かに頬を赤くする俺を、心地好い秋風が優しく包む。
不意にふわりと香る金木犀の匂いに誘われて公園へ立ち寄った。
「綺麗なオレンジ色だね。良い香り。」
「そうですね。秋って感じがします。」
「秋が一番好きだなぁ。」
「俺もです。」
少しの間ぼんやりと金木犀を見て回り、公園を出てすぐ近くのスーパーに入った。
買い物をしている主婦やアルバイト中の学生を横目に、カゴを持って夕食を考える要さんの斜め後ろをついて歩く。
「何が食べたい?」
「..ハンバーグ。」
「いつもの煮込み豆腐ハンバーグ?」
「はい。あれが良いです。」
料理が得意だと言うそこら辺の女の子たちより、要さんの方が絶対に上手いだろうな、と思う。
昔から野菜嫌いで全く食べられなかった俺の為に、栄養が偏るからと言って、いつも食べられるように工夫してくれるのだ。
「これで全部かな。」
「じゃあ、帰りましょうか。」
「うん、そうだね。」
共有財布から要さんが会計を済ませると、二人でカゴの中身を袋に詰め込んだ。
そしてその袋を俺は肩に掛け、来た時と同じように手を繋いで店を出た。
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