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釣った魚に餌はやらない_22

「いいですね、続けて。僕と同じように舐めてください」 「……っ…………」 唆される声に反抗の言葉は出なかった。 二回舐められたら一回返す、蓮沼よりは少ないけれど俺からも動いてみると倍の気持ち良さがある。 舌の裏側を舐めると蓮沼は少しだけ反応を見せた。 ココ弱いんだな……。 なんて嬉しくなったりして、薄く開いていたはずの唇は積極的に舌を絡ませるようになる。 挑発するように誘われて蓮沼の口腔に舌を入れると、透かさず吸い付かれた。 「んっ……は…っ…」 顎を伝う唾液は混ざり合ってどちらのものか分からない。 ぺろぺろと舐め合うようなキスから、いつの間にかしっかりと舌を絡ませる濃いものへと変わっている。 コイツのキス、本当気持ちいいよな……。 必死に舌を貪っていたら、ふいに唇が離れていく。 「あ……」 糸引く唾液を追うように蓮沼の首へと腕を回してしまい、驚いたように見開かれた目を見て、慌てて我に返った。 「あ、違っ、これは……」 解いた腕を取られ、もう一度首に回すように持っていかれる。 「まだ怖いですか?」 「ぇ……あ、いや……怖くは、ない」 「良かった」 ちゅっと触れるだけのキスをされると何だか気恥ずかしい。 「……んだよ、それ」 「足りないですか?」 「お前は……足りんのかよ……?」 「まさか」 と喉を鳴らして笑われる。 一頻り笑い終わると唇に指が宛がわれた。 「言わなくても分かりますよね?」 煽るような言い方に口を開いて指を招き入れた。 その指が動く気配はなく、俺が舌を動かすのを待っている。 恨めしく睨むと笑みが返ってくるだけだ。 くそ……っ。 意を決して目を瞑り、指先へと舌を這わせた。 細くて長い、けれどしっかりとした男の手だ。

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